イライライジャ

プライス -戦慄の報酬-のイライライジャのレビュー・感想・評価

プライス -戦慄の報酬-(2019年製作の映画)
2.4
近年のイライジャ主演スリラーは『グランドピアノ』しかり『ブラックハッカー』しかりどれもこれも中途半端。本作もその仲間となってしまった。
イライジャファンの私からしたら、イライジャが画面に映ってるだけで嬉しくて高得点差し上げたいが、お世辞にも良作とは言えない。

30年ぶりに自分を捨てた父と会うことになったが、自分を殺してこようとする。と思いきや突然死亡。死体と共に過ごすが、実父ではないと発覚。実父は地下で監禁されていて・・・。
という怒涛の展開を見せるのだが、すべての要素がのちに全く活かせてない。
イライジャの不気味かつ見事で残虐な殺しっぷりにはワクワクしたし、いくらでも面白い展開に出来たはずなのに。

というのも、本作は監督の実話に基づいて作られている。
死んだ父への悲しみを拭おうと、監督の家族は防腐処理後の父の死体と1週間共に過ごしたらしい。そのときに、見知らぬ男が誰も知らない父の一面を教えてきたんだとか。

なので本作は、大人になる前に父とお別れをしてしまい、大人になれないまま大人になってしまった哀れな者の映画だった。
30後半とは思えない服装で、ろくに働かずアルコール依存症。
何不自由なく良い暮らしを出来てたのに、真実は最悪。
そう考えるとこの結末は少し物哀しく見える。