撲殺

あの頃。の撲殺のレビュー・感想・評価

あの頃。(2021年製作の映画)
3.2
松坂桃李演じるしがないバンドマンが松浦亜弥を始めとするハロプロのアイドル達に出会い、自分と同じハロプロオタク達と遅れた青春を過ごす映画。

正直あまり期待はしていなかったが期待以上に楽しめた。メインキャストは全員良かったのだが特に素晴らしかったのが仲野太賀だ。仲野が演じたコズミンというキャラクターは"嫌な奴"と"面白い奴"の間を行ったり来たりする独特の人物なのだが、その癖の強いキャラクターがバッチリハマっていたように思える。仲野自身のファンになった。

惜しいところを挙げるとすればこれは完全に私の問題なのだが、2000年代のハロプロに詳しくない人はあと一歩踏み込んで楽しめないと感じた。オタクたちはハロプロと共に歩んでいる訳なので、彼らがアイドルの動向に一喜一憂している場面に対して「そういえばそんなこともあったわ」などと共感できる人にとってはこの上なく面白い映画なのではないかなと思った。

まさしく2000年代のハロプロと共に生きたあの時代のハロプロオタクによるハロプロオタクのための映画なのだと感じた。
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