タスマニア

パーム・スプリングスのタスマニアのレビュー・感想・評価

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
3.5
2021年40本目。

あー、楽しい。
楽しくて笑えるタイムリープ。

「完全に二人だけの世界」という点で超バカップル仕様になっているけど、果たして本当にそれって幸せなの?って問いかけ。
ナイルズとサラの二人で馬鹿やって、わちゃわちゃして、色々ぶつかって向き合った結果一つの回答を見つけるお話。
ハイライトで流れる二人のタイムリープの日々は楽しそうだし、「失敗が怖くない」という事実ってどれだけ人間を大胆にさせるかが分かる。
ナイルズがサラについた嘘についても、サラのタイムリープ開始前と開始後ではナイルズにとっても決定的に状況が変わったことを表しているなーって思った。
あと、恐竜のシーンって何だったんだろう。
何を象徴しているシーンだったんだろう。確かに神秘的で良いシーンだったけど。

また、JKシモンズ演じるロイが一つの回答を提示してきてグッとくる。
クソに水をかけている息子の描写はクソ笑ったけど、あの光景には確かな "幸せ" を感じられた。
「留めていたい」という気持ちもすごく理解できるし、ナイルズが決断できなかった理由の一つでもあるのかなって思った。
主な理由は進むことへの怖さなんだと思うけど。

サラがとったアプローチを見ていると「5億年ボタン」というお話を思い出した。
彼女はある種一つの真理にたどりついてしまい、その大きなお土産を持って未来に進むのだから、最高の呪いだったと思える。
・・・とか考えるのは野暮かな。
ただ、同時に思うのはサラが真実に辿り着くまでの現実的な日数を考えると、ナイルズとサラの再会って数十年、いや数百年、下手したら数千年ぶりのことなんじゃないかなって思う。
それって人間の精神や記憶の蓄積の限界を越えちゃってるんじゃないか?って思ったりする笑
全然違うお話だけど、人間が仮に肉体的に不老不死になれたとしても、記憶・経験の蓄積に精神が耐えられず、ある点から廃人になってしまうんじゃないかなーって思ったり。

サラ役を演じたクリスティン・ミリオティの顔好き。
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