タスマニア

MOTHER マザーのタスマニアのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
3.5
2020年141本目。

悪魔的な共依存。
結構絶望的で救われない部分も多いお話だった。
実話に基づく話らしいけど、本当のところはもっと無味乾燥で残酷だったのかもしれないし、本当はもう少し救いがあったのかもしれない。
いずれにせよ悲しいし、「どうして?」と思う部分が多かった。
共依存。恐ろしい。

母性って強烈なものなんじゃないの?
母の愛って何よりも強いものなんじゃないの?
大人になるのはあんなに下手なのに、恋愛するのだけは本当に上手。

長澤まさみはどの映画よりも正直綺麗だった気がする。
皮肉にも。表情が薄く、冷酷で怒鳴ってばかりいたけど、
男を誘うときのあの顔や仕草は正直めっちゃ魅力的だった。
それでも、朗らかに笑う長澤まさみが恋しくなった笑
うん、美しかったけど可愛くはなかった。

新人の奥平くんもめっちゃ演技よかった。
ペンの持ち方がぎこちないところも、頭が良さそうなのに選択肢を全て誤ってしまう危うさの雰囲気も。
幼少期の周平の役の子と合わせてもとてもよかった。

あと、印象に残ったのは木野花。
今回は優しいおばあちゃんじゃなくて、阿鼻叫喚するおばあちゃんの役所。

そして、何より夏帆。
自分のバックグラウンドと職業上の立場、個人的な思い、様々な葛藤の中で人間としての確かな弱さが垣間見れるところが目が離せない存在だった。
というか、役所にかなりハマっていた気がする。
阿部サダヲによる DV の現場をドアの隙間から震えて見ているシーンとかは震えた。
その分、物語の結末に分かりやすい救いをもたらす存在になるかと思いきや
最後まであの家族にも視聴者にも微妙にモヤモヤを残す存在に。
素晴らしい。
長澤まさみといい、夏帆といい、「海街Diary」から5年で全然異なるタイプの役で本領を発揮して、めっちゃいい女優だなって思ったわ。

秋子と冬華。
季節にまつわる名前かと思いきや、周平。
命名に関して意味があるのかな?と邪推してみたり。
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