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MOTHER マザーの創のネタバレレビュー・内容・結末

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大声で威嚇する
優しくする
スネる
無言になる
ヤバい嘘をつく
相手の大事な誰かを人質にとる
相手の価値を下げ囲い込む
簡単なルールも守れない

より大きな罪は相手にやらせて
決して自分はやらない

意外と居るんだよなぁ。こういうヤツ。

その場しのぎで過去と現在、これからの筋が通っていないから、どんどん破綻していく。
何度か挽回するチャンスがあるのに結局大切なのは現在の快適さ快楽だけなこの感じ。

これを姑息に使いこなして社会や会社に紛れ込んでる人、案外多いよね。

成長過程で、善悪の境目や人への接し方、我慢、良心の呵責を学ぶはずなのに。
私だって完全なる聖人では無いけど、酷い人は沢山いるものだ。

母も父も妹も周平の父親もめちゃくちゃ普通の人っぽいのになんでこうなるんだろう。
妹ばっかり可愛がってこのヤロウ!みたいな事言ってたけど、長子なんて大抵そんなもんよ。
なんならいつもお姉ちゃんばっかりって妹だって思ってるよ。
他にヒントになるような事が無くて結局分からないのだけど、たぶん納得できるような理由は無いんだな。
というか、こういう風に子どもに接する人に、こういう人に、どんな理由があったら納得できるんだろ。

周平の父親、ちゃんと働いて、ちゃんと生活してるみたいだったのに、
秋子が親権持ってるのはなんでだろ。養育権なのかな。
お父さんとこに来ないか聞いて、お母さんが良い。って言われて、
渋々ながらも引き下がるのは、新しい家庭があったりするのかな。
自分が子どものために出してる養育費をちゃんと使われてない。ってどんな絶望なんだろ。

長澤まさみ補正がかかってしまって、なんでみんなそんなあっさり寝るのかよく分からない。
さっきまで男にボコボコにされてた女も、明らかに母親を放棄してる女も、そんな寝たいと思うかね。
なんでそんな下半身に素直なのよ。若さ?寂しさ?
見た目が長澤まさみだからなんとなく見続けちゃうけど、全然よく分かんないな。


あ。やっぱり多少傷つくんだ。
あ。やっぱり心配するんだ。
あ。やっぱり嫉妬するんだ。
あ。やっぱり怯えるんだ。
え。引いちゃうの。

意外な所に普通の感情表現をしてくるからまた謎。
その時だけ、現在だけを見ればまあそう思うよね。とは思うけど、
傍観者的には、あの時はああだったじゃん。この時はこうだったじゃん。と不思議に思う。

飛び込み禁止のルール(と、おそらくキャップを被るルール)を守れない上に、
注意されているにも関わらず、子どもの周平をけしかける所。
盛大に突き放された感じがしてとても楽になって良かった。
この人こういう人なんで、感情移入とか難しくないですか?諦めてもらって良いですよ。って言われた感じ。
だから、ただただ秋子と周平とその周りの人達を傍観してた。
そういう観方をする映画を久しぶりに観たような気がする。
嫌いじゃないけど1回観ればそれで良いや。



以下蛇足。

やっぱり長澤まさみは基本がもうお美しい。
自覚してるより好きなんだな。たぶん。

一瞬、破壊さんとカヲルちゃんの絡みに見えて、ふふってなった。
また聴きに行きたいなぁ。みんな良い歳だけど、コロナ落ち着いたらやってくれないかな。

なんで主要な男4人のうち、猿時さんだけなんにも無いのよ。なんか悲しいわね。ふふってなった。

母のブチギレも妹のブチギレもめちゃくちゃ良かった。
安定した恫喝を見せるリョウと秋子と違って、ちょっと声が裏返ったり掠れたりする感じ。リアル。
普段、腹筋使って声出してないと、裏返ったり掠れたりするんだよね。

小さい周平も、大きくなった周平も、これを演じるの大変だったろう。
でも、お母さんが好きな感じ…というと語弊があるように見えるのとっても良かった。
本人は好きなんだろうけど、それはどうなの?って見える絶妙なラインだった気がする。
創