ハシビロコウ

僕が跳びはねる理由のハシビロコウのレビュー・感想・評価

僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)
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自閉症の人は何を考えてるのかわからない、という印象が、モノローグと個々のエピソードを通じてほどけていく。
前半、発話でのコミュニケーションが難しいと思われる人のエピソードが続くうちは、どうしても心の距離を感じてしまうけど、中盤、文字盤によるコミュニケーションを獲得した人が、言葉にならない声を繰り返し発しながら、「こんなこと(言葉による交流)が可能になるとは思ってもみなかった」という文章を作ってみせた時、それが一気に縮まった気がした。

それが自閉症者が初めて自分に語りかけてきた瞬間だった。