アー君

クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男のアー君のレビュー・感想・評価

3.3
この時期のUKロックは聴いていたが、レーベルを意識して聴くことはなかったが、出演するミュージシャンに世代的には懐かしさを感じるのとアラン・マッギーについて知りたかったので映画館で鑑賞。

90年代初期のいわゆるブリットポップを若かりし日に聴いていた世代や、当時のイギリスの全盛期のクリエイションを軽い知識程度で知りたいなという方にはお勧めかな。

大雑把な感想としてはこの映画にも出てくるが、ピストルズを仕掛けたマルコム・マクラーレンの影響はかなりあったのが分かる。

レーベルとはなんぞやと聞かれると、レコードに貼られたラベルの名前から付けられたようで、大手レコード会社の傘下でそこから派生される組織になる。ただクリエイションは友達レベルの少人数で起業したインディーズで組織としてはゆるく、レコード製作もアーティスト管理も一元化はしていると思われる。

青春時代をボウイやT.REX、ロキシーミュージック等のグラム系、その後のパンクムーブメントをリアルで聴いていた世代であれば年齢は60代前半。なんか自分を語りたくなったのだろう。

彼が在籍していたバンド LAUGHING APPLE がYouTubeにあったので聴いてみたけど、ギャング・オブ・フォーとディーヴォを足して2で割ったような音楽でセンスがないわけではないけど、確かに売れるようなバンドにはみえなかったので裏方に行ったのは正しいとは思った。

クリエイションが初期の面倒みたジーザス&メリーチェインで地味にドラムを叩いたボビーがフロントマンとなってプライマル・スクリームを結成するくだりがなかったのでちょっと残念かな。

※余談になるが、生っぽいロックから当時流行ったクラブミュージックと合体した「スクリーマデリカ」は評価は高いが、私としては音質のミックスが硬すぎて聞きづらい記憶しかなかった。

特におかしさを感じたのは若い時代のアラン・マッギーが次のカットで俳優が変わって急に老け込んでしまうのだが、もう少し上手にカット構成して欲しかった。

あと日本から来た4、5人のバンギャ笑なんだけど、あんなグルーピー(死語)は本当にいたのだろうか? 当時はネットもそれほど浸透していない時代なので雑誌の読者投稿欄で知りあったのだろうか? 妙な想像をしてしまう。

それにしてもやたらギターを極限まで歪ませたバンドが多いな(笑)

[新宿シネマカリテ 16:00〜]
アー君

アー君