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コレクティブ 国家の嘘のArxのレビュー・感想・評価

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)
4.0
ルーマニア国内の問題を扱いつつ、権力との癒着や汚職、メディアの怠慢、投票率の低下など、割とどこの国でも見られる光景を扱っている事がアカデミー賞など欧米のアワードでも評価されている理由でしょう。火傷した患者にウジが湧くまで消毒もせず平気で放置するルーマニア医療には愕然とするのだが、あの映像は自国の政治腐敗の成れの果ての悪夢として突きつけられる思いがした。(他国でもそういう人はたくさんいるだろう)

前半のスポーツ誌が次々とスキャンダルを出していく部分はスピーディーに話が進んで行くので面白い。情報として次々に色々な事が分かるというのもあるし、記事活動(取材、会見、撮影というかほぼ盗撮、会議、成分調査)など地味な作業を丹念に見せてくれたのが良かった。
一方、野党の保険相が改革に取り組んでいく後半は少しペースが落ちる。本人はやる気があるのだが、与党の妨害もあり中々思うようにやりたい事が出来ない。まさに最後の曲のように「今はヒーローはいない」時代なのだ。
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