ハシビロコウ

コレクティブ 国家の嘘のハシビロコウのネタバレレビュー・内容・結末

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

腐敗を追及するドキュメンタリーは、①解決をオチにするもの②解決したけど問題は終わっていないをオチにするものは見たことがあったけど、この映画はそのどちらでもなく、解決せず当然問題も終わらない、という辛辣な内容だった。
なので腐敗を追及する興奮はありながら、時間が経つにつれ行き場を無くし、最後はくら~い気持ちでオチを迎えてしまった。
ただ、カタルシスを与えて観客を気持ちよくするだけの映画にならず、現実を突きつけるという意味では、とてもいい映画だと思う。
それに、少なくとも腐敗が暴露されたことで、種は撒かれたわけだし。
ヒーローの素質がある人がヒーローになるには、実に様々なピースが必要なんだということがよくわかった。
見てないけど、「なぜ君」の小川議員は、あの保健相に似てるんじゃないか?と思った。

劇中、火災でやけどを負った人の皮膚に蛆虫が沸いている映像にはさすがに驚いた。野戦病院じゃあるまいし…。蛆虫自体は正常な組織に害がないと解っていてもキビシイ。
あと、賄賂の連鎖の果てしなさもキビシイ。ここまで浸透してしまうとルールを作った所で守らせるのは気が遠くなるほど大変だろう。
でも、一人一人の損得勘定が強くなれば、権威や縁故が社会を支配するのは当たり前なので、日本もこんな世界に向かっているはず。
それを強烈なお題目で抑えてるのがアメリカだけど、自前のお題目が無い日本人に踏みとどまることができるのやら。