むぎたそ

コレクティブ 国家の嘘のむぎたそのレビュー・感想・評価

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)
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国家腐敗防止局って名前の役所があるのがすごい。こんなにもすごいジャーナリストやまともで正義(社会の公平さ)を追求する人たちがちゃんといるのに、それ以上に腐敗した世界は大きいのだろう。「トトとふたりの姉」を山形国際ドキュメンタリー映画祭で見て面白かったのを覚えていて、同じ監督だな、と。予告編も面白そうで。とても見応えのあるドキュメンタリーだった。よくNHKBSなどでやってるが、欧米のドキュメンタリーはエンタメ的に見せる作りが多い。今作は全然そうじゃなかったけど、真実が凄すぎて刮目して観た。遠い世界じゃないのよね。日本も・・・。でも、「なぜ君は総理大臣になれないのか」が選挙結果を変えたことを思うと、映画の力って本当に凄くて、こういうのが作られる限り、人間の力や世界に希望を捨ててはいけないと思う。みんなが問題意識を持ってるのに腐った大きな力が選挙で勝利してなぜなんだという終わりだったけど、変えられないことも多いけど新しい保健相や色々な人がいて少しずつ変わっていってるのだということも読み取れる。ルーマニアのヤバさは「マスターキートン」でチャウシェスク関係のエピソードを読んでなんとなく知ってたけどその後もずっとヤバいのか・・・。

新保健相、若い。33歳だって。私と同年代の人がものすごい頑張ってるんだな・・・。
冒頭からすごすぎたよ、ライブハウスが火事になる瞬間が映ってるんだもん。バンドのボーカルが「国家の腐敗をぶっ潰せー!」的な歌をシャウトした後、「火がついてるぞー!こんな演出あったか?いや、演出じゃない・・・!」「うわー!!!(人びとが逃げまどう)」って怖すぎだから・・・素材よく残ってたね、と思うけど、普通に観客がスマホでライブ撮ってたら映ったってことなんだろうね。腐敗(汚職)の中心にいる人物が不可解な死(自殺に見せかけた何か・・・)を遂げるところとか、まじで映画かよ・・・ってなるよ、いや、事実は小説より奇なり、なんだよね。
告発者皆が顔を隠してないのがすごいし、保健相の部屋にカメラを入れてるのがすごい。
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