※Filmarksオンライン試写会にて鑑賞
183分の長さを感じさせない波瀾万丈。
そこへナレーションによって独特に俯瞰する視点を付随させることで、強い社会批評性のある物語が寓話的にも映る。
その寓話感が、悲惨な出来事に見舞われる主人公フランシスの正に人生を潜在的に支える、一種の優しさの様に伺える。
ラインホルトとの関係が二転三転する様子が示す通り、その時々にとっての善行が必ず良い行動や結果を生むとは限らない厳しさを描くこの物語は、正面から差別やその他社会の問題を描く作品とはまた違った強度を持っていた。
ただ長いのではなく、その強度の為の183分だ。