青

狭霧の國の青のレビュー・感想・評価

狭霧の國(2020年製作の映画)
3.6
閉鎖的な村に伝わる言い伝えと古い慣習を神と外国人差別に結びつけたストーリーだと思われる。革新的な物語ではない。おそらく、この映画の一番のテーマはストーリーよりも魅せ方にある。
見どころはほとんどが人形劇であるところ(追記: 着ぐるみも使用している?)。特に、人間の顔の作りと背景の作り込み。人間の顔は全く動かないので、表情も全く読み取れない。なのに表情があるようにみえてしまう。これは人形から表情を読み取ろうとする鑑賞者の心理的な働き以外にも、人形の顔があらゆる表情に見えること(対応出来ること)が効いている。怪獣のデザインもそこそこカッコよかった。つまり、総じて造形が良い。
背景はまるで自然光の中で撮ったかのように綺麗な画だった。池の場面は実写なのかな?それくらい木々と水面の反射がリアルだった。欲を言うと、背景と怪獣を絡めた象徴的なカットがもう少しほしかった。

人形劇は特撮の定義に含まれてもよさそうなのに、実際には含まれないという理解でよいでしょうか?
青