10円様

セイント・フランシスの10円様のレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
3.6
「ありがとう、また会う日までギンレイホール🥲」
 
 飯田橋のオフィス街にひっそりと佇む名画座。裏路地には昭和の香りがする横丁があります。時代に取り残されたような、それでも押しも押されぬ風格。そりゃそうだ。私が産まれる前から映画ファンを楽しませてくれたんだから。
 私がギンレイホールに通い始めたのは今の職場に異動してからでした。何たって駅を一つ進めば行けるっていう近場。歩いてだって行けました。仕事で疲れたあとも「このラインナップは見逃せない!」と無理矢理行ってましたね〜もちろん今夜もです😅

 そんかギンレイホールですが今月を持って閉館となります。悲しい…
 理由は建物の老朽化による移転。まああの建物見れば納得行くのですが、移転先はまだ決まっていないようで続報を待つ状態です。今の近辺が良いなあ。と願いながら残り僅かなギンレイホールを染み染みと感じるのでした🥹

 皆様の評価がやけに良いのでこの作品でギンレイ映画レビューを締めようと思います。
 35歳を節目に自問自答するブリジット。実は35歳って意外と幼いんですよね。上と下から挟まれる年齢ってのもあるのかな?自分の立ち振る舞いに苦悩する年齢でもあると思います。実際私もそうだったしね💦

 この映画でちょっとビックリしたのが中絶に関する事をとても現実的且つシニカルに捉えているとこらでした。
 中絶や堕胎を題材にした映画ってのはありますが(ヴェラドレイクがかなりオススメ)やはり「中絶=負の事象」という観念で描いていて暗い映画ばかりなんですよね。今作は中絶の捉え方が傷に絆創膏を貼るような感覚なんですよね。最初はこの描き方に不快を感じ得ませんでしたが、ストーリーが進むにつれてブリジットと心境が明らかになり、何となく彼女にも同情。というか理解はしてやれるという寛容さは覚えました。

 しかしまあ、個人的にはブリジットのような女は好かんのですよね💦その反面フランシスがとてもしっかりしていて観ていて気持ちが良かったです。フランシスが何かをする度にブリジットに心境の変化が現れる。その変化を周囲にも伝播させていく。周囲の人もブリジットの支えになるといったサイクルが定石ながらも良かったです😊
 ただ男性キャラがクズか可哀想なヤツしか出てこないんだよなぁ😓気になったのはブリジットのお父さんですが、あまり出番が無かったですね。とても優しそうで良い感じだったのに。

 主演のケリーオサリバン、全く知らない女優さんでした…脚本も担当されているようですが、自伝的な物語なのかな?しかも監督のアレックストンプソン(これまた初耳)とは私生活でもパートナーなんですってよ。
前も何かのレビューで書いたけど、パートナーのベッドシーン許す監督ってどうなんた😅

 本作と一緒には「ベイビーブローカー」が上映していて連続で鑑賞したんですが、この2作の繋がり分かる気がします。子どもが教えてくれる愛っての?大人は大人同士で解決しようとするから混がるんですよ。子どもの視点や無垢さが解決法を教えてくれる時だってあるんです👌

 とりあえずギンレイホールよ!また会おう!
10円様

10円様