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スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のQvQのレビュー・感想・評価

3.7
図らずも障害と向き合う映画の連続視聴となってしまった。先に観た「靴ひも」とは趣が全く違うけれど、自閉症などの障害をどうサポートしていくかという点では共通していて、今日は何だかそのことについていろいろ考える日になってしまった。

わたしも仕事柄、心の問題や障害ということには日々向き合わなくてはならない毎日だ。それはやはり完全に仕事だと割り切ることは難しくて、たまにはお風呂に入りながらぼーっとその日に起こったことを考えたりもしてしまう。正直に言えばやりたくてやってる仕事ではないけれど、問題を目の当たりにしてしまうと人はそれに向き合わざるを得なくなるものらしい。

彼らはその最たる場所で闘うスペシャリストだ。彼らの人間性からして、自分たちの活動が問題山積みなのは承知の上だろう。監査にやってきた調査官に言った言葉は捨て台詞のようで実は8割は本心ではないか。どうにかなるもんならやってみろよ。出来るならとっくにやってんだよ!って腹の中ではきっと思ってる。

実話でも映画化していく過程で全く脚色がないとは思わないし、もしかしたら美化されてる部分もあるのかもしれない。贔屓目に見たりはしないつもりだけど、それでもわたしはこの人たちのやってることには一目置く気持ちになる。冷静に、でも心を失わず、人のやりたがらないことに必死になれるこの二人の生き方はやっぱりすごくはないだろうか。

報道や映画や本や、そういうものがこれだけ問題提起をしてるんだから、政治や行政はキチンと現場を把握して然るべき対応をすぐにでもしていくべきなんだよね。ホントにコロナでもさんざん思ったけど、国を代表する頭脳や能力を持ってる人の集まりなんだったら、選挙や議会でした発言を絵に描いた餅にしたり自分の利益のためだけに動いたりするのはもう本当にいい加減やめて、より良い社会のためにきっちり働いて欲しいと思う。彼らのように本来政治や行政がやるべきことを肩代わりし、現場で踏ん張ってくれている人たちのためにも。そして私たちは選挙に行って本当にスペシャルな働きをしてくれる人をちゃんと選ぶべきだし、そういう目を持たなきゃなと思う。

それにしても人間社会は本当に対処すべき問題が山積みなんだなあ。福祉や医療だけじゃないもんね。どんなかたちであれ知ることってホント大事。
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