喋らない写真屋の男性とは対照的に音が誇張されていて、特にカマキリの咀嚼音と写真の編集音は印象的。
寓話みたいな、夢みたいな不思議な雰囲気。実際、夢と現実が混じっている場面もあって、観ていて怖いくらいの思いもあった。
身体の傷だろうと心の傷だろうと自分を受け入れて生きていくのってとても美しいことだと思うけど、誰かに見てほしいから更に自分を傷つけるような真似をするのは健全じゃないね。そういうの止められない時もあるんだろうけど。
自分を皆に認めて貰う必要はないと思うけど、孤独を抱えている人同士が痛みをわかり合って癒されていくの観ると本当に嬉しくなる。
カマキリのメスがオスを喰い殺すって話は知ってたけど、その場面を見たのは初めてだったから割りと衝撃。でも食べられる方としても、自分の存在によって相手を生かすことが出来る喜びを知れるって解釈は、なんだかすごく理解出来た。
舞台挨拶付きで串田監督と、その友人の眞田康平監督が来ていて、登場人物誰か死んでもよかったんじゃないかって眞田監督が投げ掛けてたけど、串田監督が言うには無闇に死なすのは反則技だしやりたくなかったとのこと。大正解だと思う。でも死に代わる描写もちゃんと用意されていたし、必要なことは押さえつつ安易な方には走らない上品な作品だったと思う。面白かった〜。
