ぼのご

私たちのハァハァのぼのごのネタバレレビュー・内容・結末

私たちのハァハァ(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

九州から好きなバンドのライブに行くため、自転車で上京を試みる四人の女子高生。無邪気さ瑞々しさが最高だった。

途中で疲れて自転車の旅を諦め、ヒッチハイクし出す流れは笑えたけど、危なっかしくてハラハラ。絶望的な展開を観れる気分じゃなかったから、割りと本気で無事を祈りながら観た。なんとかなって良かったけど、池松さんとのくだりは仄暗さがあって少し心が痛かったな。
SNSになんでも投稿しちゃう浅はかさとか、世間の残酷さを知らない振る舞いに心配でならなかった。でもそういう純粋さが魅力でもあったと思う。それに、本当は無防備でも傷付くことがないくらい優しい世の中なら良いのにって思うよ。

仲良し四人組がもう取り返しつかないんじゃないかって程に喧嘩している時の絶望感、リアル過ぎて観ていてこっちまで血の気引いたし泣きそうになっちゃった。
好きな物が共通していても思い入れはそれぞれ違って、重過ぎてついていけなくなったり、ついてこれない人に苛立ったり、感情の食い違いって悲しいなぁ。ちゃんと仲直りしてくれて本当に良かった。

好きなバンドのライブに間に合わないと思いきやアンコールには間に合って、入り口を間違えて舞台の方に乱入しちゃう流れもまた冷や汗かいた。あれが本当にリアルのライブでの一発撮りで、ライブの観客たちも映画の撮影だと知らずにいたって話、ぶっ飛んでるなって思った笑

主人公たちにライブのチケットを売った人、女子高生にキャバ嬢のアルバイトを紹介している時点でかなり疑問だったけど、ライブの舞台に乱入されたのがショックだったとかで少女たちからチケットの半券まで取り上げるの、余裕なさ過ぎて気持ち悪く感じてしまった。

でも何はともあれ悪くはない結果になって、最終的には素晴らしい青春の一ページだった。こういう思い出がある人は、きっとこの先なにがあっても大丈夫なはず。
皆で代々木公園の辺りから渋谷の交差点まで駆けていくエンドロールも、躍動感に溢れていて青春だった。元気貰えた。
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