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傘のmingoのレビュー・感想・評価

(1966年製作の映画)
4.0
グルジアのジャックタチ、コバヒーゼのサイレントの魅力に溢れた、そっと身に付けたくなる小さな指輪のような小品。シンプルな短編ファンタジーほどヒトを幸せに。
自由に跳ね回る傘は変わりばえしない退屈な日常に吹いた一種のアイロニーであり、甘美な軽やかさと優雅さの誘惑が癖になる。傘に加え軽やかにスキップする男とキュートな少女を観ているだけで心が洗われる。浮く傘の撮影はいま見ても新鮮。コバヒーゼは軽妙な短編で注目されたが実験性ゆえに不遇の運命であったらしい。本作のラストを象徴しているかのように。
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