このレビューはネタバレを含みます
のっけからあちこちで喚き立てる、喧しく煩雑な群像劇。
やばい、大好きだこういうの。
ゴムの引っ張っぱりのようなテンションの高まり、やがてくる臨界と解放…、そんな緊張感がうまく表現されていたように思う。
また、中盤の長い独白からの挿入歌がそれまでの雑多な展開との対比になっていて、それぞれの心境とこれから何かが起きそう、という期待を高める役割を担っている…。
とそこまではいいのだが、クライマックスのカエルが降る展開はどうだろう? なんかそういう伏線あったかな?
なかったと思う。
そんな取ってつけたようなとんでも展開よりも、それぞれのエピソードに決着をつけることでの大団円、それこそを求めてまう。
そこをきっちりとまとめてくれれば文句なく秀作なんだけど、それでお茶を濁すことしかできないというところが、きっとこの映画の限界なんだろうなと思ってしまう。
トムクルーズの胡散臭い愛の伝道師は、彼がそういう役を演じるチャレンジ精神は評価したい。
でも残念ながらそんなには巧く演じ切れていなかったかなぁと、個人的には思った。