Jaya

傍観者あるいは偶然のテロリストのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

2.7

このレビューはネタバレを含みます

報道資料を多く用いてパレスチナの20年前と現在を見るドキュメンタリー。大きく映されるヘブライ語やアラビア語には字幕が欲しかったです。

「日本人ジャーナリストが自爆テロをした」というプロットに乗せた章立てでしたが、その必然性は感じられませんでした。中身は完全に監督自身の記憶と記録とノスタルジーを辿る旅のようす。

パレスチナへの強い共感が示されますが4章で示される「ホロコーストを経験したユダヤ人がなぜパレスチナ人への横暴を許すのか」という問いに、イスラエル人の声を全く拾えていないのは片手落ちに過ぎるのでは。自爆テロを通しての日本への共感という声への意思の表明がないのもどうなんだろう。

パレスチナでの出来事を記憶に留める、人々の意識を喚起するという主旨はよく伝わりましたが、例えば「一見して平和な状況」に対する市民の意識など、もう一歩踏み込んだところまでははっきり伝わってこない映画でした。
Jaya

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