great兄やん

ザ・ファイブ・ブラッズのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)
4.5
【一言で言うと】
「兄弟達の“鎮魂歌(レクイエム)”」

[あらすじ]
ベトナム帰還兵の4人(ポール、エディ、オーティス、メルヴィン)はノーマン隊長の遺骨と埋蔵金を回収するべく、意を決して再度ベトナムを訪れることにした。ポールの息子、デヴィッドも父親を心配して旅に付いてきた。戦場での過酷な体験がフラッシュバックしたり、過酷なジャングルに分け入ったりすることは覚悟の上だったが、4人がベトナムで目の当たりしたのは想像以上のものであった。ベトナム戦争がもたらした災禍は今もなお現地の人々を苦しめていたのである...。

これは強烈すぎる😰...

今作の情報は全くもって知らなかったので、どんなストーリーか分からない状態で観てみたのですが...こんな壮絶な内容だとは思わなかったです(゚o゚;;
まぁスパイク・リーの事ですから絶対にマトモな映画は作らないだろうな😅って思ってましたけども...しかしそれにしても本気で“凄い映画を観た”って思えるとんでもない映画でした。

ストーリーに関しては前半と後半とでは雰囲気も一気に変わりますし、特に後半にかけてはマジで息が出来ないほど緊迫感に包まれていました。
あの“地雷”のシーンなんかイッチバン観ていてキツかったからね😖...多分あれが自分だったら絶対に死んでるかもしれない(^◇^;)

それにキャスト陣の演技力もズバ抜けて凄かったですし、特にポールを演じたデルロイ・リンドーの演技がとにかく凄すぎる。マジで凄すぎました。
キャラの共感性としては一番感情移入できないキャラクターですけど、どの登場人物の中でも強烈に印象に残りましたし、ストーリーが進むにつれてどんどん狂気的になっていく姿にはもう鳥肌が立ちました:(;゙゚'ω゚'):

ただ前作の『ブラック・クランズマン』といい、今作も黒人差別問題をかなり深く掘り下げたテーマが根底にあるので、やはり日本人の自分が観てもどうこう言える立場ではないというのがかなり勉強不足な感じがします😔
今話題になってる”black lives matter“のデモ活動も自分は最近起こった出来事だと思ってましたけど、実際は2013年から続いていたというのが事実ですからね...いやはや、こういった問題は映画とかで理解できていたと思ってたのですが、まだまだ井の中の蛙ということを今作で思い知らされました。

とにかく最初から最後まで頭に焼き付いて離れない強烈な155分でした!!
衝撃的な映像、直球で見せる暴力表現、そしてラストの強烈なエンディング。これらを映像で表現できるのは間違いなくスパイク・リーだけだと改めて思いましたね🤔
劇中における全てのメッセージは理解することはできませんでしたが、やっぱり“戦争には犠牲者しかいない”というのが今一度良く分かりました😫

個人的にはあまりオススメし辛い作品ですけど、自分としてはこういった作品を観て今現在起きている黒人差別問題について関心を持って欲しいのが本心です(-_-)
とにかく人種差別に終わりが来るよう祈るばかりですね🙏