塚原直彦

アオラレの塚原直彦のレビュー・感想・評価

アオラレ(2020年製作の映画)
3.6
この邦題とラッセル・クロウが主演というだけで、どう転んでも面白いだろ?と煽られてる本作。
予想通りのB級感炸裂だが、その二本柱のみでラストまで一気に突き抜けてくれる圧倒的パワフルムービー。

想起されるのは勿論スピルバーグの名作「激突!」だが、恐怖のタイプは若干違えどシンプルイズベストでエンターテイメント性は十分。
日本でも問題の煽り運転が奇しくもアメリカで作品となるのは恐ろしくも興味深いが、白眉はやはりラッセルの全身から滾る凄み。
冷静に考えると煽り運転が怖いのではなくただラッセルが怖いだけでは…という本質的脆さはご愛嬌。

脚本を読んだ当初は絶対に演じたくないと言っていた彼が何故ここまでノリノリで演じることになったのかも気になるところだが、将来の午後ロー枠まっしぐら。
決して映画史に名を残すことはないかもしれないが、知性0で割り切った潔さも含めてどこか愛してしまう一本。
塚原直彦

塚原直彦