ゆうすけ

フィール・ザ・ビートのゆうすけのネタバレレビュー・内容・結末

フィール・ザ・ビート(2020年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

『ディセンダント』シリーズで、『白雪姫』(1937)に登場する女王の娘・イヴィ役でも有名なソフィア・カーソン主演。

自身がダンスのオーディションにおいて、審査員の大御所に対し不敬をはたらき、ニューヨークから地元へ戻ったエイプリルが、地元の弱小ダンスチームをもち、全国大会まで進出させることで、別のダンス界の大御所にダンスを見てもらい、ブロードウェイ進出を狙うという物語です。

よくあるお話で、正直展開は読めます。安っぽいコメディティーン映画といった感じ。ただ、なんとなくハッピーな気持ちにはなる。

こういう大会進んでいく系の映画は、どれだけその大会への進出を観客に納得させるかが問題になってくると思います。例えば、もともと弱小ダンスチームだったのに、指導経験もないダンサーが短期間で全国大会まで行かせられるものなのか、そして大会のシーンで映し出されるダンスショーは、本当に全国レベルのものなのか。
点数によって勝敗が決まるスポーツならわかりやすいですし、成長や技術の高さは点数によってある程度絶対的に評価されます。一方で、ダンスの良し悪しは素人目にはわかりにくい。観客に「成長」をわかりやすく提示するためには、やはり最初は「弱小」であり、ダンスのダの字もできていないような状態をスタート地点にしなければなりません。そうすると、確かにチームとしての成長はわかりやすく描けますが、なぜそのレベルのチームが全国大会までいけるレベルに短期間で成長できるのか、という疑問が生じます。そして、この問題をこの映画では解決されていません。
最後のパフォーマンスが本当に全国レベルのものなのかも、正直わかりません。そして、『ティーンスピリット』(2018)のレビューでも書きましたが、ルール違反によって、本来次の大会に進んでいた出場者が脱落し、繰り上がりで主人公たちが進出する、という展開はやはり頂けません。ここで描かれているのは努力ではなく、ただのラッキー。敗北を経験して、それをバネにして次の大会に臨むのならわかりますが、この展開は物語上なんの意味ももたない。

ただ、エイプリルは脚が長くてダンスも映えるし、小さな男の子もめちゃくちゃ可愛いし、エイプリルの元彼も若かりし頃のトム・クルーズみたいでかっこいいし。
そういう楽しみ方でいいと思います。
ゆうすけ

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