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ヤクザと家族 The FamilyのYOKのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.9
イオンシネマのワンデーフリーパスにて、2本目に鑑賞。

友達がめちゃくちゃ推してくるから、同時刻帯に上映していた「カポネ」の誘惑を振り切って観た。

最初から最後までずっとバイオレンス。綾野剛の金髪がなんとも言えなくて、ううーん…ってなっているうちに血みどろになって、ヤクザの世界へ。親分の舘ひろしがめちゃくちゃいい人で格好よかった。

映画のタイトルを出すタイミンがこれまた絶妙で最高で、「ぎゃー!」って心で叫んだ。叫んだ瞬間、斜め前の人のスマホの光で目がやられた。お客様、困ります、上映中のスマホはおやめ下さい!(スマホで聞く音声ガイド等を利用している人だったならすまん)

よくうちの旦那が、「ヤクザは昔、社会からはみ出してしまった(助けて貰えなかった)奴らを拾っては面倒見ていたって面もある」って言ってるんだけど、舘ひろし演じる親分はまさにそういった意識の人間って感じだった。

暴力シーンも勿論あるんだけど、いたぶって殺すとかは無いから、痛そうだけど目を覆うほどの残酷さにはかけていた。銃でパーン、ナイフでサクサクっ!ってタイプ。

ヤクザとしての家族(ファミリー)は結束が固くて、ある今までは羨ましく思えるほどに信頼関係があるのに、ヤクザもしくは元ヤクザが家庭を持っても家族を幸せにはできない、って現実が凄く痛かった。

タイトルの「ヤクザと家族」は一般的によく言う家庭のことを言っていて、「ヤクザとファミリー」って方は組合のことを言っているのかなって思った。タイトルに二つの意味があるのかもしれん。

ストーリーや展開とははちゃめちゃに分かりやすく、ぶっとんだ展開は無い。一人の男が如何にヤクザとなり、ヤクザとして生きたかの伝記みたいな映画であり、現代の法改正によりヤクザになっても抜けても生きるのが困難である事実をぶつけてくる作品だと思う。

個人的に最近好きな磯村勇斗君が後半出て来た時は心の中でスタンディングオベーションした。ちなみにこの時も斜め前の人がスマホいじってて、磯村勇斗君を見ろ!ってポップコーン投げつけたくなった。(理性で堪えた)

もうお前らの時代じゃないんだよ!って、私もよく政治家の爺さんに思うけど、俺たちが時代を作った!って思っている方々からしたら言われたくない言葉ランキング上位にくい込むんじゃなかろうか。

友達は「何回でも見たい…」って言ってたけど、私は1回で満足!って感じだった。磯村勇斗君の出演しているシーンだけなら何回でも見たいけど。

結局あの映画で1番幸せだったのは親分だったんじゃないかな、って思う。家族はいなくてもファミリーはいてくれたもんね。親分が主人公の事「ケン坊」って呼ぶの、愛に溢れていて好きだったなぁ。

全体で見ると、展開が読みやすくて分かりやい映画、ってなっちゃうんだけど、細かい点で見ていくと胸に刺さるシーンや言葉がそこらかしこに散らばっていたなって感想。
そういう意味で友達は何回でも見たいって思えたのかも。それなら納得!
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