このレビューはネタバレを含みます
どんな生まれでも、いい日もあれば悪い日もある。
東京の松濤に生まれ育った名家の娘・華子と富山の田舎町出身の美紀。ひとりの男を通して、出会わないはずだった二人の運命が交差する。
"悪意"を持った人間が登場しないのが面白い。ただ生まれに沿った当たり前の生き方をすることが、違う生まれの誰かを傷つける。
格差というテーマを、重くしすぎずどこか淡々と描いた作品。
上流階級の華子が、さらに上の階級の幸一郎との格差を感じるところが良かった。
水原希子や脇を固める友人たちの演技もすごく自然で好感が持てる。
格差を超えるような友情や愛情ができるようなありきたりなエンディングではないものの、最後はそれぞれが自分の納得する生き方を見つけているのも良い。