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アンモナイトの目覚めのzogliのレビュー・感想・評価

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)
3.7
初日レイトで鑑賞

とにかくすみからすみまでフランシスリーだったので満足

灰色の世界が特定の他者の出現により色づいていく過程、共同作業で深まる情、光の射すところへ2人で駆け出すシークエンス、出会いと愛が頑なに閉ざした心をほどいていくけれどその愛だけでは生きてはいけない事、触れる事で伝わるものがあるという手の雄弁さ、ひとつの口付けから始まる止められない衝動と奔流、欲しいのは施しでは無く愛は対等である事…

挿入されるモチーフが終盤また死に還って行くのが初作と違うとこだよね、とか、また嫌な女親出てくるなーとか、監督のテイストが好きなわたしは前作との共通点や相違点にハラハラしたりニヤニヤしたりした

(マイケルベイのマイケルベイ(火薬モリモリ大爆発)やガイリッチーのガイリッチー(スロウ多用の戦闘シーン)なんかを彼らの持ち味だと思っているひと達は まさか前作と今作を観てフランシスリー作品はワンパターンだ なーんて言わないですよね)

ベッドシーンには賛否ありそうだけど、男性優位社会で功績も偉業も存在すらも蔑ろにされていた女性にスポットライトを当てたこの作品だからこそ こだわって徹底的に男性性(≒挿入)を排除して描いた結果があの形だったのではないかと思っているので、ものすごく納得して観ていた

何気に嫌煙映画

おかあさんはあれなのかな?直接的には四条天皇みたいなあれだったのかな?

かわいい器の軟膏気になった
きっとヴィックスヴ◯ポラップの祖先

無粋なボカシやモザイクが無くて作品を尊重してあって映像としては好ましかったのに、時代ものにもかかわらず字幕が結構俗っぽいのがなんだか気になってしまったなー
別に2人とも王族とかじゃ無いので不必要に格調高くなくても良いんだけど、でもそれにしても『ハメられた』とかどうなのかしら???この作品1840年代あたりが舞台なんでしょう?黒船来航前の日本の作品でも『ダルい』『ハメられた』なんて使わないんじゃ無いのかな…もう少し時代背景に即した表現というか文学的にならなかったのかとガッカリ
そこだけでは無いけど、字幕は所々解釈違いだなーと思って観ていた
原語で観た方が雰囲気壊れなさそう…海外円盤取り寄せようかな

あとは観終わってもやはり邦題と日本版ポスターが意味不明
『目覚め』って必要だった…?
わざわざ目覚めとかつけるとあの時2人で泥の中から掘り起こしたあの化石にばかり無駄に意識が行ってしまうし、あれアンモナイトじゃなかったし
原題のAmmoniteってもっと包括的な意味でつけられているのだと思う
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