こたつむり

エノーラ・ホームズの事件簿のこたつむりのレビュー・感想・評価

4.0
♪ 少しくらいは 不安だってば
  これが私の生きる道

邪道に見えて王道の作品でした。
主人公はホームズの妹。
失踪した母を探すために二人の兄を呼び戻したけど、藪蛇で寄宿学校に入れられそうになり、思わず逃げたら子爵失踪事件に巻き込まれて…という物語なんですけど。

「これはディズニー製かな?」
と思うくらいに王道なんです。
ミステリとアクションとアドベンチャーとドラマを融合させた娯楽ど真ん中なんです。

しかも、配役が地味に良いんですよ。
一番のヒットが母親役のヘレナ・ボナム=カーター。次にホームズ役にヘンリー・カヴィル。どちらも絶妙なバランスの起用。イメージどおりと言えばそのとおり。違うと言ってもそのとおり。

あと、子爵役のルイス・パートリッジが掘出し物。髪が長いときなんて「え。ディカプリオの再来」と言ってしまいそうな雰囲気抜群(って大袈裟な気もしますが。というか髪を切るとイメージが変わるのですが)。美男子好きな人は要チェックです。

なので、どこを見ても隙はないんですが…。
そんな中であえて難を言うならば主人公ですかね。ぶっちゃけた話、身長の割にはゴツい雰囲気なんですよね。この辺りはマンガやアニメに目が慣れていると違和感があるかも。ま、リアルと言えばリアルなんですが。

あと、真犯人(と呼ぶのが相応しいのか)も。
動機としては弱い…というか、真剣に考えれば考えるほど、サイコな感じなんです。正直なところ、全年齢向きじゃなかったら、もっと掘り下げてほしかったんですが…。

ただ、それらは僕のワガママですからね。
ネトフリ限定なんて「モッタイナイ」としか言いようがないほどの傑作。『3』を作ることがあるならば、劇場公開も視野に入れてもらいたいです。

まあ、そんなわけで。
ミステリ(暗号)、サスペンス(陰謀)、ドラマ(女性解放)、アクション(追走)と右を見ても左を見ても楽しい部分しかない物語。自分の未来は自分で決める…なんて青春ストーリー的な部分もありますんで、家族そろって楽しめる作品だと思います。

松ぼっくりがツボ。
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