ひろぽん

劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子マナフィのひろぽんのレビュー・感想・評価

3.1
劇場版『ポケットモンスター』シリーズ9作目

サトシたちは、水ポケモンと心を通わせることができる水の民一族の末裔・ヒロミと出会う。サトシたちはヒロミから、海のどこかに秘宝が隠されているという伝説を聞き、その秘宝への道しるべとなる蒼海の王子マナフィのタマゴを水の民一族が保護していた。サトシたちはポケモンレンジャーのジャッキーと共に、海賊ファントムからマナフィを守れるかという物語。

今作のテーマは、ハルカと幻のポケモンのマナフィに焦点が当てられ「母性」について描かれる。マナフィのタマゴが孵化した時にハルカを初めに見たことで「刷り込み」の習性が働き、ハルカを母親だと思うマナフィと、母性本能をくすぐられたハルカの少々過保護な母子関係が、種族間を超えた本物の親子のような関係で観ていてホッコリした。

壮大な海を舞台に物語が展開されていくので、海中やその海の中を泳ぐポケモンたちの描写がどのシーンを切り取っても綺麗で美しい。そして、ポケモンの技の水鉄砲とサイコキネシスで空中で水中ショーをするという発想が面白いし綺麗。

今作のサトシの活躍のカッコ良さは同じ男でも惚れ惚れしてしまうほど紳士的🎩海の神殿で水の脅威で生命の危機にさらされているのに、何の躊躇もなくハルカを救命ポッドに入れ、ポケモンも使わず己の力のみで自分の責務を果たそうとする勇敢な姿に心振るわされた!そして、10歳とは思えない肺活量と、水の民も驚きの速すぎる潜水力には拍手喝采。サトシの抜群の運動神経と、飛び抜けた身体能力はバケモノ級!

悪役として登場する海賊ファントムの口癖の“世の中には二種類の男がいる〜。”シリーズは、ローランドの“世の中には二種類の男しかいない。俺か、俺以外か”に似ている。元ネタこれなのかな?

ポケモンレンジャーのキャプチャー・スタイラーを使いポケモンの力を借りるというやり方は、ある種の洗脳というか催眠術のようなもので怖いなと思う。

海の神殿アクーシャは誰もが憧れるような幻想的な場所で行ってみたいし、ラストの海の王冠の光の帯を使った演出は素敵すぎる。

作品を通してマナフィはずっと可愛い。ポケモンの映画はカッコイイ系が多いけど、この作品は可愛さや美しさに比重を置いた作品に仕上げているから、そういった意味で異色を放っている作品だと思う。ポケモンレンジャーの活躍は思ったよりもイマイチな印象。
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