でしょうかな

コリアタウン殺人事件のでしょうかなのレビュー・感想・評価

コリアタウン殺人事件(2020年製作の映画)
3.0
2017年、ロサンゼルスのコリアタウンにあるアパートで、妻が夫を刺殺した。現場近くに住む撮影者は、事件に矛盾があると感じ、ドキュメンタリーの撮影を始める。

実際の事件を題材にしたファウンドフッテージ系モキュメンタリー。わずか3年前の事件を題材に、4chanやYouTubeに関連する映像や写真を投稿しておくというのは、現代の小規模作品ならではのフットワークの軽さを感じる。
そもそも本作自体、YouTubeで妄想に苦しめられている人が投稿する陰謀論的な映像に酷似している…というかほぼそのままだ。公式サイトにも、4chan発祥の陰謀論QAnonをもじったらしいKAnonなる人物が登場する。現代アメリカに蔓延する陰謀論を、政治的な要素を薄め、異文化への忌避感に置き換えたパロディ作品と言えるだろう。
ただ、陰謀論者の撮影映像に似ているからといって、さほど面白くはない。短編映画ならともかく、1時間以上あるのはちょっとキツい。いたたまれない。また、あらゆる事象を結び付けていく内に狂っていく撮影者が中心だと思っていたのに、終盤で陰謀論が事実に見えるような場面がいくつかあったのは頂けない。
なお、地味に音楽が好みだった。
でしょうかな

でしょうかな