デイ

ケミカル・ハーツのデイのレビュー・感想・評価

ケミカル・ハーツ(2020年製作の映画)
3.9
10代のヒリヒリとした心の葛藤を描いた映画は大好きです!!

でもね…。なんだか観てて心が痛かったなー😭
観ていた時はヘンリーの目線で観てたけれど
後ジワではグレイス目線になったかも…。

"10代後半になると脳が一気に大人へと向かう。
それまでは宙ぶらりん。
今の大人は宙ぶらりんの状態を抜け出せないまま歳を取っただけ"

ハイスクール最後の一年。
ヘンリーは転校生のグレイスに一目惚れをするのだけれど…。

ズルいよ😭
見た目が凄く綺麗で可愛くて、で頭も良くて聡明で、
なのに、身体にも、そして心にも大きな傷を持った女の子。
のめり込むように好きになってしまうのに決まっているし、絶対にツラい想いもするし傷付くのよ!!

ヘンリー、最初の恋。

元彼のドミニクを交通事故で亡くし、自身も事故により、足に障害を負ってしまったグレイス。

ドミニクはアメフトの期待の選手だった。
自分のママがアルコール依存症で男を連れ込んだりするから、ドミニクの家に住み込んで、ドミニクの両親に面倒を見て貰っていた。
ずっと一緒で、結婚もすると思っていたのに…。

「私が死ねば良かったの!!」
と号泣。

過去にはかなわないよ…。

グレイスも前に進もうと、ヘンリーと付き合おうとしても上手く行かない時もあって
「じゃあ、何故、こんなキスしたんだよ?!」
ってヘンリーが言うと
「だって、こういうキスしか知らないんだもの。」
って…。(ため息)

はあ…前を向いて進みたいけれど、亡くした彼の存在を断ち切れず、精神不安定に陥るグレイスに恋をするヘンリーって…。

キラキラとしたハイスクールの画面…
そして対照的に
グレイスの自分だけの居場所が森の奥の廃墟の工場の地下…の暗い場所のシーンへとの映り(移り)代わり。

工場の地下室の水が溜まった小さな池に沢山の鮮やかな金魚がいて、そっと水に足を入れるグレイスの美しさ。

ドミニクと結婚する時に着るつもりだったウェディングドレス。

そんなところを見てしまうヘンリーの胸のザワつき。

含みを持たせたラストだったけれど、前向きに捉えたいです。

ヘンリーが大人になって、例え、違う女性に恋をしても、グレイスにかなうような女性は二度と現れないのだろうな…。
って、そんなふうに思いました。


最近、
"大切な誰かを亡くした人"がテーマの映画を続け様に観ている気がします。

前を向かなくてはいけない訳でも無く、
そして、まだ17歳のグレイスにとっては容易では無いこと。
大人だって容易では無いのだもの。

でも、自分が前を向かないと、そこに傷付く人が居る限り、前を向いていかないといけないのだなー。
とか
やはり、時間が必要とか、時がいくら経ってもそこに置かれたまま進めない人、それぞれ…。

私は、うん!!前を向こう!!と思いました!!


以下もろもろ

アメリカのハイスクールって、スポーツだけじゃなく
討論部とか
演劇部とか
合唱部とか
文化系も充実しているのが羨ましいかったです。
ヘンリーは校内新聞の編集長なのですが、そうやって、自分が興味ある事の選択肢が広いって言うのがね☆

ヘンリーのお姉ちゃんが脳科学者なのかな?
ヘンリーをなぐさめる時
「今、脳から出ている脳内物質はね!!」
って科学的な慰めかたをするのが面白かった。

ヘンリーの趣味が日本の伝統である割れた陶器の「金繋ぎ(漆もあります)」だったのも良かったなー😊

グレイスがヘンリーに渡した"10代の自殺がテーマになっている"本の中に「ライ麦畑で捕まえて」が入っていて、もう人生で何度も読んで、英語原作まで読んで(こちらは挫折💦)もう一度読みたいと思いました☆
デイ

デイ