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ボーイズ・イン・ザ・バンドのRのレビュー・感想・評価

3.4
んーーーーー期待していたほどではなかったなーーーーー。先に70年版の真夜中のパーティーを見てたので、かなり期待してたんやけど、そっちの方がぜんぜん響いたなー。ダークでヘビーでストレートにガツンとくるのが好きな人は前作、ライトにソフトで少々ガツンもありみたいなのが好きな人は本作、って感じになると思われます。僕はやっぱフリードキンっすわ。別にこっちのほうが良くないわけではない。んー悪くないんやけどなーーーなんかちょっとぬるさがあるかなーと思った。もともとブロードウェイの舞台劇らしく、俳優さんたち全員、舞台のキャストそのままで、リアルゲイメンでもあるそう。しかも、カップル役のふたりは、舞台の公演中ほんまにカップルになったのだとか。まぁそりゃこんな役ずっと演じてたらカップルにもなるわな。というわけで、舞台は1960年代末のニューヨーク。ゲイの仲間たちが集まって誕生日パーティーを開くんやけど、そこに主人公マイケルの大学時代の友人アラン(ストレートでホモフォビア)が突然やって来て、マイケル困り果てる。なぜなら、自分も含め、そこにいるメンバーの半分はあからさまにキャンプなゲイだから。特にエモリーはキャンプ度が高く、隠そうとすることすらできない。基本クローゼットのマイケルは、自分が中年のゲイであることを苦に思い、アル中になってたのを、なんとかお医者さんの薬で落ち着けてたところ。そこにホモフォビアのアランが入って来るもんだから、パニックって酒をガブ飲みしてしまい、自分の中のコンプレックスがひどい形で出て来てしまう、というお話。さすがもともと舞台劇なだけあって、序盤からマイケルと元カレがノンストップで喋りまくる。この喋りすぎがちょっとばかり気にさわる。70年版でも同じこと思ったんやけど、本作の方がより一層気になった。映像が現代的なぶん、現実的でもあって、現実こんなに喋りまくる奴おらんやろってなってしまったのでしょう。けど、元カレを演じるのがマットボマーで、どこからどう見てもイケメンの彼が、ナイスバディーでフルヌードをたっぷり披露してくれるので、まぁいいかぁ、ともなります。で、誕生日パーティーにだんだん集まって来る人たちが、それぞれに面白い。先述のエモリーのほかに、ラリーという遊び人の淫乱ビッチ、妻子を捨ててラリーと一緒になった数学教師、バースデーボーイへの祝いとしてエモリーが雇った風俗カウボーイ、ゲイの黒人という二重苦のバーナード、そして、突然訪問する困惑のノンケ・アラン、となかなか個性的なキャラ揃いなんやけど、肝心のバースデーボーイが殊奇妙な振る舞いの男で、演技の癖が強すぎ、いかにも映画的なキャラって感じが出過ぎてるのに、なぜか印象はものすごく薄い……なんかぜんぜん好きになれなかった。途中からのマイケルの取り乱し方もキャンプな演技がエスカレートしただけって感じやし、その後くり広げられる真夜中のゲームは展開がバタバタしすぎ、電話口の近くでマイケルうるせーし、いきなりみんな演技がシリアスになりすぎ、このノリやったら確実に舞台劇の方が面白そう。映画の演出にあまり向いてない脚本なのかな?と思った。知らんけど。そう考えるとエッジーなダークネスの支配するフリードキン版はよく出来てるなぁ。ひさびさにそっちが見たくなった。あと、こっちのやつは、ゲームの内容がそんなに重く感じられへかってんよ。画面がピカピカに整いすぎてて、作り物っぽさが大きいからかな。面白いテーマなのに、最後まで興味がもたない。フリードキン版とひとつ大きく違った点は、彼らが過去に経験したセクシャルなシーンが回想シーンとして出てくるとこ。エロい映像が観れるサービスと考えるとアリかな、とも思うけど、別に他のポイントでクリアしてれば要らないんじゃないか、とも思った。けど、なにか入れないと間がもたない感じもある。あ、そうそう、プールのシーンでチンコにボカシがなかったのはなんでやねん! いままでチンコにボカシがついてる映画ばっかやったから逆に気になったわ!笑 作品としてはええことやけど、結構セクシャルなシーンで、しかもちょっと勃起してる?チンコにボカシが入ってないって……もーーーーあってもなくても気になるボカシ、全廃してくれ、たのんます🙏 というわけで、結論。個人的には全体的にあまり楽しめませんでした、残念。僕は、ゲイに対するフレンドリーさの少ないフリードキン推しで行きたいです。これからすぐ見比べてみよーかなー。

ということで⬆️書いたすぐ後にフリードキン版を見てみたのですが、やっぱそっちの方がぜんぜん良かった!!! 映像が暗めで寒々しく、同時に熱気と湿気でじめじめしてる。登場人物全員汗を顔に浮かべてるのがイイ! 切実な緊張感! あと、俳優さんも断然フリードキン版。それぞれの俳優の印象の強さが均等で、みんな魅力的。2020年版は、印象の強さがバラバラ。薄い人がすごく薄い。黒人とかマットボマーとか全然印象に残らない。最初の駐車場のにいちゃんも断然フリードキン版。サラッと出てくるだけなのに釘づけのイケメンさ。あと、雨の降らせ方もすごかったなー。そんな雨ぜったい降らんから!🤣 2020年版のほうがいい点が何かあるかなーーーいや。ない。ラストの描写も特に要らないし。セックスシーンはどうだろう。まぁセクシーでいいけどなー。んー。あるからその分良くなってるわけでもない。というわけで、同じ内容の映画なら僕的にはフリードキン版をおすすめします。
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