いよら

映画 太陽の子のいよらのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
3.8
戦時中、日本でも原子爆弾の研究が行われていた、という事実を元にした映画です。もともとはスペシャルドラマだったんでしたっけ?

京大の研究室で行われていた研究。
原子爆弾の開発に成功した国が、戦争の主導権を握るとされていた時代。
学生の修は、仲間達と研究に明け暮れていた。

それは、日本が戦争に勝つためだったのか。国を救うためだったのか。それとも純粋に科学がもたらすものが見たかっただけなのか。
国としては、いち早く完成させて、他の国に力を示したいというのが一番だったんだと思うんですけど、研究している本人達がどう思っていたのかはわからないですね。
そして、その威力を、それが何をもたらすものなのかを、わかってやっていたのか。


科学に取り憑かれている演技をする柳楽優弥はさすがでした。ラストの方の原子爆弾が破裂する瞬間を観察したいという時の目が、常軌を逸する感じがして凄かった。そして、相対する田中裕子もさすが。その親としての覚悟が見えました。
このシーンは、科学者って、そういうものなのかもと思わされるシーンでしたね。未知のものを発見したり、見られる悦びが一番というようなね。
それは純粋ゆえの狂気に思えました。


そしてこの作品で忘れてはいけないのが、三浦春馬の存在です。彼が演じる裕之の最期が切ないですね。
残っていた三浦春馬の作品がほとんど作中で亡くなる役っていうのはなんだかね。
でも彼がいたからこその作品だなと感じます。
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