いよら

非常宣言のいよらのレビュー・感想・評価

非常宣言(2020年製作の映画)
4.2
予告見た時から見たい!と思っていて、初日に見に行って来ました。(レビューは当日にできませんでしたけど)
ソン・ガンホとイ・ビョンホンの共演ってだけでもテンション期待値上がりますし、さらにキムナムギルもいるし、イムシワンが犯人っぽいし、気になる要素だらけです。

娘のアトピー治療のためもあり、飛行機でハワイへと向かおうとしているヒョク(イ・ビョンホン)。飛行機に乗る前に不審な男に声をかけられたが、その男が同じ便(ホノルル行きK501便)に乗っていることを知り、不安を覚える。同じ頃、刑事のク・イノ(ソンガンホ)は、ある不審な飛行機テロの予告動画の犯人とおぼしき男の自宅に行きそこで遺体を発見する。その遺体は毒物によって殺害されており、その犯人が飛行機テロを起こそうとしていると気づくが、その犯人はすでに飛行機に乗った後だった。その便はホノルル行きK501便ということを突き止めるが、その飛行機にはク刑事の妻も乗っているのであった。そして、飛行機の中では全身に発疹が出て吐血し亡くなる乗客が出てしまい…。


そもそもこのバイオテロっていうのが、致死率の高い変異ウイルスであり、感染してしまうものというのがとてもやっかいなところ。人から人へ次々に感染していくわけですから、密室状態で逃げ場のない飛行機というのは最悪な空間なわけです。飛行機の中では犯人を捕まえて目的を吐かせようとしますが、すでに犯人もウイルスに感染しているという始末。さらには乗務員の多くも完全してしまい、この飛行機を飛ばし続けられるのかという危険性もついてまわります。
犯人の目的は何なのか、ウイルスに感染した人たちはどうなるのか、果たして飛行機は無事に着陸できるのか、先が読めずハラハラドキドキです。
飛行機の中だけでなく、地上にいる人たちである警察や政府もこの事件の解決のために奔走しますけど、飛行機ってことで国際問題も孕んでいて、こういうところでも色んな事情が浮かんできます。

映画を見ている間、何度祈ったかわかりません。どうにかなってほしい。助けてほしい。なんでそうなるのって何度思ったことか。

飛行機でのアクションシーンは息を呑むほどの迫力がありました。たぶんそのシーンで息止めてた気がします。思い出しただけでも、ヒヤヒヤします。

予告では飛行機が舞台のパニックムービーという感じでしたけど、中盤まではアクション、サスペンス、パニックですが、どちらかといえばヒューマンドラマです。『新感染』に近い雰囲気。こういう緊迫した状況で問われる、誰の命を優先するべきなのかという問題。
途中日本が出てきていて、その対応にちょっと!と思ったんですけど、見解を聞いて、納得はしてしまいました。だからむしろその後の韓国国内での雰囲気の方が問題でしたね。どっちの意見もわかりますけどね。そしてみんなが出した結論に、、あぁそうなのか…となります。
これは見て確認してください。


『ノンストップ』も飛行機を舞台にした密室ストーリーでしたけど、あっちのナムギルは全く活躍しませんが、こちらのキムナムギルは大活躍します。とてもカッコよかったです。副操縦士の役なんですけど、彼の役の背景も複雑で、そんな中での選択。そして決断。
イ・ビョンホンはさすがのかっこよさでした。飛行機恐怖症なんですけど、そうなった経緯と、そしてその過去ゆえとの向き合い方とに心を動かされます。
イムシワンのサイコパスな雰囲気もいいですよね。エリート然としてるのに何考えてるかわからない感じがハマってます。
そして、ソンガンホ。刑事としての事件を解決しようとする姿がすごくいい。でも彼の演技の1番の凄さはラスト。これに尽きると思います。彼の役の行動も凄いです。
いよら

いよら