へたれ

シカゴ7裁判のへたれのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
3.7
良かったとこ1 豪華なキャスティング
まずマーク・ライランス。アーロン・ソーキンお得意のまくし立てるセリフを、完璧に自分のものにして話せるのは単純に凄かった。サシャ・バロン・コーエンは、美味しい役柄でもあるけれど、随所に入るスタンドアップコメディ的な語りが良かった。マイケル・キートンが数分しか出ていないのに場面をかっさらうのはさすが。

良かったとこ2 編集で再現するテンポの良さ
特に終盤で暴動のきっかけが何だったのかが分かるシーン。もちろん主役はセリフになってしまうけれど、再現ドラマの入り方のテンポが良いので、会話に合わせて真相が明らかになっていくのを映像としてもちゃんと表現できていたのが良かった。
モリーズ・ゲームの時と比べても、映像で勝負するところが増えてきていた。

ダメだったとこ 法廷ドラマとしての残念さ
アーロン・ソーキンがどれだけ練りに練ったセリフを持ち込んでも、この裁判は証拠で真相に迫るような論理的な法廷バトルとはむしろ真逆に進行するため、頭が良さそうに見えれば見えるほどセリフが空回りしていた。そこに欠けているカタルシスは、フランク・ランジェラが演じる判事の傲慢さという名演技でカバーしていたけれど、おかげで悪代官vs口の立つ若者たちみたいな単純化したドラマになったのは残念。
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