ぐっさん

シカゴ7裁判のぐっさんのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.6
NETFLIXオリジナル映画。
久々の実話物語鑑賞です。

 1968年イリノイ州シカゴで発生したベトナム戦争反対の活動家・市民によるデモ隊と警官隊との騒乱。
 この結果双方合わせて数百名の負傷者を出し、このうち暴動を扇動した容疑で告訴されたデモ活動家参加者7人はシカゴ・セブンと呼ばれるようになった。
 平和的に行われるはずの抗議デモが警察との激しい衝突の発展したこの責任を問われ逮捕起訴された7人はアメリカ史上最も理不尽な裁判に立たされてしまう・・・。

 今まで見た実話作品の中では裁判シーンがメインだけどもわかりやすく無駄がなく、テンポがいい。そして、実話ドラマだけどモヤモヤ苛立ち感の展開からのクライマックスの爽快感はスカッとした飽きさせない見事なストーリー展開も素晴らしかったです。
 オープニングからの登場人物紹介のシーンはテンポのいい音楽によって、ポンポンポ~ンと紹介されていくから無駄がなくわかりやすい。タイトル通り裁判シーンがほとんどだけどももう完全にデモ隊側に不利な出来事だらけで観ている私も感情移入してしまうほど「おかしいだろ、これぇ~。」と言ってしまうほど初心者でもわかるような今では考えられない理不尽なことがどんどん起こってしまい、目を背けるような出来事もリアルに描かれているので、当時はこれが現実なんだと学ばせてくれるシーンもあったり、納得できない裁判シーンなどあったりするけども、クライマックスシーンはこれらをドーンと投げ返す、まさにあの超有名ドラマの名言「やられたらやり返す、1000倍返しだっ!!」がピッタリといえるような爽快感満点のシーンは好きでしたねぇ。

 キャストメンバーも豪華なんですよ。
 サシャバロン・コーエンや「ファンタビ」でご存じエディレッドメイン、「インセプション」でご存じのジョセフ・ゴードンレヴィット、他にもマイケルキートンなどなどこの緊迫した裁判をぐいぐいのめり込ませてくれるんですよ。もうナイスキャスティングといえる演技も最高でした。

 誰もが、平和的に静かに戦争反対を訴えて解決しようとしていたはずなのに、こんなことになるなんて・・・、この作品はどんなに叩かれて、へこたれて、ダメになりそうになっても共有できる仲間を信じて、努力は必ず実を結ぶんだと改めて学ばせてくれた素晴らしい1本だと私は思いました。
ぐっさん

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