タスマニア

ミッドナイト・スカイのタスマニアのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)
3.5
2021年33本目。

思ってたより周囲の評価が低い笑
なんか、それに影響を受けてこころなしかちょっと微妙に感じてしまった部分もあるかもしれない。

故郷を守れなかった者、故郷に帰る者、2つの立場の物語が交錯する。
博士が一人残った観測所でアイリスという名の少女に遭遇したときに、確かにある程度の展開は予想できる。
ただ、そこは個人的には気にならなかった。むしろわかりやすくて良い。
余談だけど「ゼロ・グラビティ」において、ジョージ・クルーニーがサンドラ・ブロックが一人乗り込んだ宇宙船に突如現れたときと同じことを、今度は体験する側になっているのはおもろい笑
完全な孤独に遭遇したときに、人は分かっていてもイマジナリーな存在を頼るんだろうな。
それにしても、アイリス可愛すぎる。
二人の関係性を分かった上で、あの二人のやりとりや小競り合いを見ると、博士自身が歩めなかった世界線を「ロングスパンな走馬灯」として見ているって勝手に解釈した。

この映画で一番印象的で「ハッ」としたシーンは減圧した艦内でマヤのヘルメットをとった瞬間のシーン。
本人の感覚や脳さえも騙していたはずの "体に起きた現実" が映像としてはっきり知覚させられる。
無重力で浮かぶ血液の粒がもはや「かたまり」と呼べるレベルで吹き出た瞬間の絶望感。
そして、白を基調とした艦内の背景とのコンストラスト的なサムシングで、綺麗に見えてしまった。
あの表現すごく好きだ。人間が死に近づく瞬間の絶望を最高にきれいな映像で見せられたなーって感心してしまった。
やっぱり、"無重力" と "宇宙の闇" は映像表現において、まだ人間の体験の蓄積が少ない分、感動や発見に満ちている。
お国柄、邦画はどうしても宇宙に行く作品が少なくなってしまうので、日本の宇宙産業頑張れって思った。

フェリシティ・ジョーンズはなんか勝手なイメージで、宇宙や空によく行っているイメージが笑
とにかく、強い女性を演じることが多いなーって。
なんかナタリーポートマンの系譜を感じた。
そう考えると、めっちゃ好きかも笑
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