ロックウェルアイズ

オールドのロックウェルアイズのネタバレレビュー・内容・結末

オールド(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

休暇にリゾートへやってきたキャパ一家。ある人物に近くのプライベートビーチを勧められ訪れてみると既に先客がおり、数組の家族と共に真夏のひと時を過ごすことになる。
しかし、腐敗した死体、超えられない岩壁、一瞬で治る傷、成長した子供など、不可解な現象が次々と彼らの周りで起き始める。
そう、ここは30分で1年が経過するという時の狂ったビーチだったのだ。

何気に初シャマラン。
つい最近までシャラマンだと思ってたからいまだにシャラマンって言っちゃうけど……
公開時に観たかったけど見逃していてようやく観れた。
まず設定が最高。
やられてそうだが意外に前例がなさそうなテーマ。
次々と起こる出来事に急速な時の流れの恐怖を感じると同時に、何故そうなるのかを考えながら観るのがちょっと楽しい。
最後までドキドキワクワクしながら観ることができ、骨太な作品を一本しっかり観たという満足感が高い。

人生は長いようで短い。
人生という舞台に立った以上、どうしても避けられない老いというものは恐ろしくもあり、また切なくもある、一種の人生の醍醐味のように感じる。
それぞれ病気を抱えながら、幸せに老いていった主人公の家族と惨めに老いていったチャールズの一家は対照的。
本来時間を忘れてゆっくり楽しむ真夏のバカンスだからこそ、この設定はなかなかの皮肉で面白かった。
カーラの妊娠のシーンでトレントが何の知識もなく性交渉に及び「それは学校で習ったよ」みたいなことを言うのが生々しくて好き。
身体や精神がいきなり大人になってしまったため、知識や知能が付いてきていないのがよく分かる描写だった。

賛否が若干分かれそうなネタバラシも個人的には結構好きだった。
良い意味でのズッコケ感は『キャビン』そのもの。
随分無理矢理だし、陰謀論的で現実味は薄いけど、そこは前半との緩急で楽しめる。
なんで2通目の手紙の解読とっといたんだよー!!

取り敢えず推し2人が生き残ってくれたことに感謝。
最後の2人の特殊メイクが役的にも年齢的にも一番違和感なくて素晴らしかった。
成長過程や悲惨な死体は敢えて映さず、印象的なカットによって理不尽なビーチの衝撃を与える。
カメラワークなどにも監督のセンスを感じた。
シャマラン、これだけじゃ気がおシャマランので第六感使ってもっと色々観てみたい。

ちなみに、、、
チャールズが思い出せなかったジャック・ニコルソンとマーロン・ブランド共演の映画は『ミズーリ・ブレイク』だって。
分かるかい!