ロックウェルアイズ

スイス・アーミー・マンのロックウェルアイズのネタバレレビュー・内容・結末

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

遭難してしまい無人島にたったひとりのハンク。
自殺しようと首に縄を掛けたその瞬間、“死体”が1体浜辺に打ち上げられていることに気づく。
その“死体”は“おなら”を動力に海へと流れ出し……

まあ、想像通りかなりの珍作。
スイス・アーミーナイフのように万能な死体の人体機能を使ってサバイバルするうちに2人に友情が芽生えるとかいう、バカなんだか知的なんだかよく分からないヒューマンドラマ。
ストーリーは最後まで結構飽きずに観れるし、よく出来た映画ではあるんだけど、個人的にはバカさをもっと全面に押し出して2人の友情にフォーカスを当てて最後まで突っ走って欲しかったかなと。
下品なのにおしゃれだったり、バリバリ野生なのにどこか都会的だったり、コメディに見えてそこそこ重めのストーリーだったりと、A24らしい作品ではあるが、せっかく設定が面白いんだからそれを最大限活かして頭空っぽで観れる映画を作って欲しい。

ラストはかなりの胸糞展開では?
皮肉にも生還した瞬間に一気に暗雲が立ち込める。
最後の最後でメニーが息、じゃなくて屁を吹き返してくれたおかげで少し中和されたけど、もしそれが無かったらかなり精神に来ていた。
周りの見る目の変わり方というかドン引き具合というか、現実の描写がリアルすぎて……
死体が動かなかったらただのネクロフィリア男になってしまうのが恐ろしすぎる。
この展開は全く予想していなかったので結構衝撃的。
ラドクリフのハリポタイメージ払拭プロジェクトとしては良いけど、これは1回で十分かな。