ロックウェルアイズ

ミッドサマー ディレクターズカット版のロックウェルアイズのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

家族を亡くし悲しみに暮れるダニー。
恋人のクリスチャンとの関係もあまり良いものではなかった。
そんなある日、クリスチャンとその友達はスウェーデンの夏至祭に行くことになり、ダニーも一緒に着いていく。
訪れたホルガ村の人たちは快くダニーたちを迎えてくれたが、その村では異様な風習が伝統的に行われていて……

『ボーはおそれている』の予習として、みんな大好きミッドサマー!ようやく観た。
せっかくならと、23分追加+再編集無修正のディレクターズカット版を鑑賞。

いやー、良かった。
正直予想していた映画とは違ったけど、それがまた最高。
世間的にはエグい映画とかヤバい映画とか胸糞悪いとか怖いとか色々言われるけど、個人的には歓びの映画だなと感じた。
ダニーは取り込まれるべくしてホルガ村に取り込まれた。
ハッピーエンドと感じるどころか全てが浄化されるようなラストシーンには爽快感すら覚える。私も“家族”になってしまったのだろうか。
ホルガ村の人達は我々の現代の倫理観や常識に収まらなかっただけでは?
異様な風習の数々は我々文明人からすると嫌悪感を感じるけど、彼らが何百年と続けてきた文化と考えれば、ルールに則って行われているし、現代社会にはそぐわ無いが忌み嫌われるようなものではない。
確かに正当化は出来ないが、輪廻的な考え方も理解はできるし、彼らの思想を否定することは出来ないと思った。
普通に衣装や世界観は綺麗なので単なるお祭り映画として十分に楽しめる。

それ以上に主人公たちの方が気持ち悪い。
ホルガの人たちよりも彼らの思考や言動の方が意味分からない。
自分勝手で空気も読めず人の気持ちも理解しようとしない彼らの言動にずっとイライラ。
主人公たち誰1人として好きになれない。
特にマークに関しては終始無理だった。
そう言う意味でも、他者を理解することの難しさを説いた作品なのかもしれない。

…と、まあ呑気なことを言ってきたが、ここまでは割と鑑賞直後の感想。
考察見るとやはり感想が変わる。
この作品に対するイメージが大きく変わったわけではないが、平和ボケ王国の私の元にもジワジワとホルガ村の恐怖がやって来た。
ヘレディタリーでもそうだったし、アリ・アスターの映画って鑑賞後に考察を見始めてからが本編みたいなところあるじゃん。
ってことで、この人の考察がめちゃくちゃ見応えあって感動するので良ければ→ https://youtu.be/YW6kCu-OXBk?si=xgO5wLlR5MiQx9r9

アリ・アスターは映画の中で最大限に自分がやりたいことをやって、映像で思いっきり遊んでいる感じがとても良い。
本作でカギとなってくるドラッグによる幻覚。
よく見てるとお花や背景の木々が生きているかのようにグニャグニャと動いている。
劇中で出てくる印象的なものには大体意味があるし、そうではないスルーしてしまいそうなところにもヒントが隠されていたりする。
模様、配色、地域の文化、歴史、文字、音楽…etc
観ている時も配信なら一時停止と巻き戻しを連発してしまうし、もう一回、もう一回と観直したくなる中毒性は、もはや映画というジャンルを超越した存在にも思える。
そのうちもう一度観て答え合わせをしたいが、初回でディレクターズ・カット版を観てしまったせいでモザイクありの通常版を観る気になれない。
小さな違いに思えるけどね、やっぱり無修正チ○ポはキモくてこの手の作品にはピッタリなんですよ。
あと、ここまでネガティヴキャンペーンされてスウェーデンの人訴えた方が良いぞ。
逆に注目されたから良いのか?