ふたば三十郎

トータル・リコール 4Kデジタルリマスターのふたば三十郎のレビュー・感想・評価

3.5
4Kデジタルリマスター版を劇場鑑賞。

ポール・ヴァーホーヴェンは小学生の頃に『ロボコップ』でトラウマを植えつけられた監督だが、本編開始前にご本人が映像で登場。
今回のリマスター版について語る中で、製作のマリオ・カサールの名前が何度か出たのに字幕にない。
字数制限で省かれちゃうすっかり過去の人なのね…

マリオ・カサールのカロルコ全盛期の自転車操業っぷりにワクテカしてた世代としては、本作はシュワちゃんやポール・ヴァーボーヴェンの作品以上に、マリオ・カサールの映画なんだよ!

だってまず脚本に書かれてる事をそのまま読んだら、今ならアベンジャーズやスターウォーズ撮るくらいのCGと予算が必要よコレ(笑)

そんな大風呂敷を広げまくった脚本を我らがマリオ・カサールはマッチョを主演にエログロ大好き外国人監督に撮らせてしまう狂気の沙汰!
ほんと限られた予算のなか使い回しのセットと模型、光学合成でよくぞここまで撮ったと感心する。

ちなみにフィリップ・K・ディックの原作は既読。世にも奇妙な物語にありそうな短編だけどたぶん実際パクってそう。知らんけど(笑)
その見事なオチをぶち壊してまで強引にヒーローモノにしちゃう脚本はある意味潔いし、映画版の方のオチも悪くない。

ただやっぱりこの脚本でも原作と同じくヤサ男というか、少なくともマッチョじゃない主人公の方がいいかなと。

荒唐無稽なアクション映画としてはシュワちゃん主演じゃなきゃ成立しないし、じゃあベテランの芸達者揃えたらノーランの『インセプション』になるかと言われたら疑問だし、映画って難しい。

まあ兎にも角にも、ザ・マリオ・カサール印の映画である事は間違いない。
あとキレキレのマイケル・アイアンサイドはシャロン・ストーンよりセクシーだと思う。
☆☆☆★★