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この茫漠たる荒野でのrayconteのレビュー・感想・評価

この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)
5.0
荒野を旅する、物語を伝える男と物語を知らない少女。
ポールグリーングラス監督が「キャプテンフィリップス」のトムハンクスを主演に製作された開拓時代ロードムービー。

インディアンと入植アメリカ人の紛争が残る時代の中で、ジョハンナは言葉も知らない幼い頃カイオワ族に攫われ、その中で育てられた。そのためジョハンナは、シカダというカイオワ名でカイオワ語を話し、部族としてのアイデンティティを持っている。
カイオワ族は、ローンウルフという人物が酋長で、彼がフィクションにも度々題材とされてきたことから、数多くあるインディアンの中でも有名な部族である。
そして「レッドリバーの戦い」で知られるように、アメリカ人との徹底抗戦を貫いた部族のひとつでもある。

対してハンクス演じるキッドは、元軍人。ジョハンナとは正反対の存在だ。
アメリカ人とインディアン、支配者と奴隷、言葉を生業にする者と言葉を知らない者、老人と子供、そして親と子。
様々な分かち難い対比を含む二人の関係が旅路の中で少しずつ解けていく様は、ベタではあるが心を打つものがある。

ちなみに、この映画の世界観とストーリーはビデオゲーム「レッドデッドリデンプション2」と「ラストオブアス」を掛け合わせたような内容だ。
二つのゲームを好きな人なら必ずグッとくると思うので、そういう人には凄くオススメです。
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