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ドライブ・マイ・カーのkazu1961のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary————————————————-
▪️本年鑑賞数 :2021-484
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 ※※※/1001

🖋村上春樹と濱口竜介のクロスする見事な世界観が秀逸な作品です。村上春樹の珠玉の短編小説「ドライブ・マイ・カー」を濱口竜介監督自ら脚本を描き、妻を失った男の喪失と希望を見事に描き切りました。その上映時間179分、ロードショーで見るにはかなりのボリュームですが、その脚本と演出の妙味、慌てずに丁寧に紡ぐように語られる展開に気がつけばその時間が過ぎ去っていきました。とても見ていて深い作品です。

🖋特に凄いと思ったのは、「ワーニャ伯父さん」、「ゴドーを待ちながら」という演劇要素を作中劇として大胆に取り入れ、ストーリーと重なりながら、その劇中劇の台詞が登場人物の心情を巧みに伝えていくところ。そしてそのセリフの一つ一つと独特の間合いがよりその心情を増幅して伝えてくるところも凄い!!

🖋そしてやはり赤のサーブ900の存在。そのサーブの中でのテープでの亡くなった妻とのセリフのセッションもとても印象的。そのサーブと共に、広島・東京・北海道・韓国などのスケール感あるロードムービーとしての側面の素晴らしさと、四宮秀俊撮影によるその風景映像の美しさがさらにこの作品の深みを増しています。

🖋 登場人物が再生へと向かう姿が観る者を共鳴させる圧巻のラスト20分。クライマックスの舞台上での音のない主人公家福の救済が示唆されるシーンは圧巻。そしてラストの新たな人生へと踏み出したように思える爽やかなシーンに安堵。。。

🖋本作、濱口竜介が監督と脚本を手掛け、西島秀俊が主人公、歌手で女優としても活動する三浦透子がヒロインを演じ、霧島れいかや岡田将生らが脇を固めています。年度のカンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞しました。

😌物語は。。。(参考:シネマトゥデイより)
脚本家である妻の音(霧島れいか)と幸せな日々を過ごしていた舞台俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊)だが、妻はある秘密を残したまま突然この世から消える。2年後、悠介はある演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島に向かう。口数の少ない専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と時間を共有するうちに悠介は、それまで目を向けようとしなかったあることに気づかされる。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『ドライブ・マイ・カー』
原題(英題):※※※
🎥製作国 :日本
🎥初公開 :2021
日本公開 :2021/08/20
🎥上映時間 :179分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):濱口竜介
脚本 :濱口竜介、大江崇允
原作 :村上春樹
撮影 :四宮秀俊
音楽 :石橋英子
出演(声優):西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか

🔸Overview (映画. comより)———————
村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を、「偶然と想像」でベネチア国際映画祭銀熊賞を受賞した濱口竜介監督・脚本により映画化。舞台俳優で演出家の家福悠介は、脚本家の妻・音と幸せに暮らしていた。しかし、妻はある秘密を残したまま他界してしまう。2年後、喪失感を抱えながら生きていた彼は、演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島へ向かう。そこで出会った寡黙な専属ドライバーのみさきと過ごす中で、家福はそれまで目を背けていたあることに気づかされていく。主人公・家福を西島秀俊、ヒロインのみさきを三浦透子、物語の鍵を握る俳優・高槻を岡田将生、家福の亡き妻・音を霧島れいかがそれぞれ演じる。2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画では初となる脚本賞を受賞。ほか、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの独立賞も受賞した。
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