終わり方にまず驚いて、
「ああ、これはトーベ・ヤンソンの愛の履歴を…」と気がついた。
穏やかな晩年の前の嵐のような10年くらいの物語。
ムーミンを見たことがある人なら、これを見て、ああ、この人があのモデルなのねとしみじみと思いながら見ますし、その原点となった父親との関係も垣間見られて。
トーベは「愛とは手に入れた瞬間に色褪せる」ということを知っていたのでしょうね。
だから常に追いかける立場を選んできた。
その追いかける熱量が芸術を生み出す糧となるのを本能でわかっていた…
しかし、こういう人の恋人になったら、追いかけられていると思っていたら、フイッと居なくなる、そんな思いをするのは辛かったでしょう。
トーベは優しい人だったから、ムーミンの優しい世界にそれを投影させて、供養していたのではないのかしらと。
少女のような不安と繊細を抱えたトーベ、しかしその内側には自分でも抱えられない嵐が吹き抜けていた…のかな。
お父様との逸話には胸がちくりと。
娘と父親っていつの時代も…