siorinn汐鈴

カビリアの夜のsiorinn汐鈴のレビュー・感想・評価

カビリアの夜(1957年製作の映画)
3.7
冒頭でいきなり男から川に突き落とされる女(ジュリエッタ・マッシーナ)
助け出されるも、意識を取り戻した瞬間から、恩人たちにお礼を言うでもなく、突き落とした男の名前を叫び、探し始める…

もうこれだけの短いシーンで、女=カビリアがどんな女性なのかわかってしまう…

げに恐ろしきかな、フェリーニ…

道の無垢なジェルソミーナとは一転、気性の激しい、それでいて信じて信じて、それでも裏切られる女性をジュリエッタ・マッシーナが演じています。

魂の救済か…
例え相手にその思いを受け止めてもらえず、悲しい境遇であったとしても、信じ続けること、それを「幸福」と捉えるのだろうね…フェリーニ的に。

カビリアのような女性にこそ神が宿ると。
フェリーニ、ドストエフスキーみたいだな…
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