タスマニア

BLUE/ブルーのタスマニアのレビュー・感想・評価

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)
3.5
2021年44本目。

上手く言葉にできないけど、すごく自分タイプの人間に寄り添っている映画だと感じた。
自分はボクシングやったことないけど、人生の中で何度も訪れるちょっとした成功・失敗、嬉しかったこと、悲しかったことと接続されるような映画だった。思わぬ良作。
特別な才能があるわけでない平凡だからこそ、「格好いい」と思える背中があった。

松山ケンイチや柄本時生の "弱い" 演技がめっちゃ素晴らしい。
何かに熱中し始めるきかっけなんて、本当にちょっとしたことだし、少しずつ「勝ちたい」「認められたい」という欲が出てくる感じとか、本当身に覚えあるわ笑

「ジャブをコンパクトにガードを下げない」といった基本に忠実にやることが王道となる展開なんて、努力馬鹿タイプには大好物。
日本の至宝である井上尚弥もシンプルな基本的なステップを毎日欠かさないと「アナザースカイ」で話していて、そのステップをやってみせたことがあるのだけど、そのステップのリズムと幅の正確さに驚いた覚えがある。

あと、キャストがワンツーやシャドーボクシングをやるシーンあったけど、すごいと思った。
もちろんプロに比べたら「なんだこれ」ってなるものなんだろうけど、キャラクターの言葉を借りると「ボクシングやっている風」に見えるようなフォームになるまでも、素人からすると相当な時間がかかるはず。
ましてや、シャドーボクシングやスパーを3分間素人が普通にやるのは体力がもたないだろう。
ボクシング見るのが好きなので、格闘技の中でもボクサーに対して大きなリスペクトを抱いているので、その点でもちょっと感動してしまった。

あと、木村文乃がめっちゃ可愛い役柄だった。
三角関係にフォーカスする展開にはしていなかったけど、瓜田がボクシングを始めるきっかけが彼女であることを話すところなんて、
瓜田の心情を察するに来るものがあるな。
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