へたれ

ハウス・オブ・グッチのへたれのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
2.5
良かったとこ 濃い演技のぶつかり合い
テレビの再現ドラマのように大味な映画なので、繊細な演技よりも顔芸や大声で押し切る力技が映える映画。その点で、レディ・ガガの終始野心を剥き出しにしている表情と、ジャレッド・レトーのコント並みに大げさなボンクラ演技が良かった。

ダメだったとこ1 平板なキャラクターたち
まず、アダム・ドライバーが演じるマウリツィオは、中盤以降の行動に一貫性がないので、彼が何を考えて行動しているのか全く読み取れない。次に、レディ・ガガが演じるパトリツィアは、目力で野心があること伝わるけれど、彼女の目的が何なのかは表現されない。他のキャラクターは、いずれも1行で説明出来そうな単純な役で、深堀りのしようもない。

ダメだったとこ2 中心となるテーマの欠如
2時間半以上あるのに、この映画が何について描こうとしたのか、最後まではっきりしなかった。グッチ家という家系の崩壊を描くのであれば、ビジネス的な成功と失敗や、血の繋がりにまつわる皮肉や悲劇のように発展させる可能性はあったのに、そうしたテーマはいずれも仄めかす程度。その代わりにさまざまなエピソードが時系列で並んでいるだけなので、飽きることもないけど印象にも残らない。

ダメだったとこ3 音楽の多用による安っぽさ
1978年から1995年までを描くために、当時のディスコソングを多用しているけれど、その使い方が安っぽかった。シーンの切り替えのたびに曲が流れるので、映画というよりは一昔前の連続TVドラマのような感じ。
へたれ

へたれ