ダイアー教授

ハウス・オブ・グッチのダイアー教授のレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.7
題:グッチ一族のお家騒動
製作:2021年、アメリカ
監督:リドリー・スコット
原作:サラ・ゲイ・フォーデンの同名小説
出演: レディー・ガガ、アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック

GUCCI…
パッと目を惹く緑と赤のツートンカラーはシェリーラインと呼ばれる。
カッコいいGGの模様は創始者グッチオ・グッチのイニシャルである。

本作はグッチ一族のお家騒動を描いた作品。
『柳生一族の陰謀』よろしく“夢でござる”みたいな展開。
むちゃくちゃオモシロかったです。
ネタバレ無しで3つにまとめてレビューします。

1.レディー・ガガ
ガガっちはイタリア系アメリカ人。
彼女が演じたのはパトリシア・レッジャーニ、Mrs. Gucciだ。
お世辞にも美人とは言えない。クリムトを知らなかったり、ご飯の食べ方が汚かったり、気品、知性と品性に欠ける女だ。
しかし、肉感的で、色気があって貪欲で頭がキレる女で魅力的である。

ガガっちのデビューアルバムは「フェイム/The Fame」つまり「富と名声」だ。
本作で彼女が演じたパトリシアが求めていたものではないだろうか?
何か、運命を感じないか?

2.トム・フォード
落ち目のグッチを立て直したのは94年にディレクターになったトム・フォードである。
私はこのことを知っていたので「今度のデザイナーはテキサス出身だ」の台詞にワクワクした。
トムっちを演じたのはリーブ・カーニーというイケメンさんだが、フォードご本人はもっと男臭いゲイだ。

3.リドリー・スコットとグッチの浅からぬ縁
リドリー・スコットは06年から本作の企画を温めていたそうだ。
スコっちの監督作『ハンニバル』でレクターがクラリスに贈るのはグッチのハイヒールだった気がする。
※『羊たちの沈黙』でクラリスはレクターから「靴がダサい」とディスられている。