アネモネ

1秒先の彼女のアネモネのレビュー・感想・評価

1秒先の彼女(2020年製作の映画)
4.0
ポップでファンシーでキュート! 
ずっと不思議でふわふわした物語の中にいる気分だったのに、
最後一気に現実になって一緒に大号泣しました。
鑑賞後のこの気持ち、いったいなんなの!?


主人公のシャオチーがかわいい!
「自分を愛そう」
上司のセクハラも流せるくらい仕事も順調だし、彼氏がいなくても自分時間の一人暮らしを満喫してるシャオチーのあの感じ、わかるわー。
鍋からご飯食べちゃったり、ラジオに話しかけたり。
せっかちも無邪気さも他人を思いやる気持ちが無いんじゃなく単に自分ペースでしか進めないだけで、素直に真っ直ぐ生きてるだけ。
だから笑顔がキュート。
けど、この生活だと確かになかなか新しいものに興味が湧いたりしないし、DJはモザイクでしか想像できないし、あんな変な奴に引っかかったりしちゃうよねー。



グアタイの奇行もギリギリファンシーな世界に収まってて、ほっこりくる不思議。

この映画は
いくら日々が普通に楽しくても、たった少し目線を変えただけでこんなに人生はかわるんだと教えてくれます。
どこかに自分を知っていて想ってくれている人がいたり、
日頃疑問に思ってなかった事に気付いて行動してみたり。 
ただ日々を過ごしていると
「あれ、昨日なにしたっけ?」みたいなこと
誰にでもある。
変化を求めない凪な生活もいいだろうけど、
人は選択する事ができる。
その選択の道はたくさんあって、すぐそこにあるのに全く目に入っていない道もある。
そのほんのちょっとの違いで、未来はどうにでも変わるんだって言われているように感じました。
そしたら、自分だけを好きな自分から、
自分の好きな周りの人も愛せる自分になれるんだろなー。
1秒早く動くから見えるものもあれば、1秒遅いから見えるものもある。
だから自分とは違うものを否定するんじゃなく理解しようとする事が、自分以外も好きになるってことかと。



長かった海辺の一本道の先に広がった人生の分かれ道を、それぞれ自分で選んで進んだ先に見つけたラストシーンはじんわり心を温めてくれました。


エンドロールの写真がこれまた良かったー。
アネモネ

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