肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

スペンサー ダイアナの決意の肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

3.8
あなたはこの映画の彼女に共鳴できるだけの〈プリンセス〉を持っているか
王室のレガシィがダイアナ妃殿下を囚えてやまないマイ・ブロークン・ダイアナから抜け出す前の決定的「3日間」

dis◯neyアンチか?むしろ世のガール(意味深)たちに刺さったプリセンスの先駆けなのか?
これがリアル『ありのまま』の"寓話"

この映画の演技とクリステン・スチュワートの憑依美貌を見ない限り、〈2022映画女優〉は語れない(本国2021)

いやはや…ホンマいやはやですよw
日本ではこんなにも遅れて2022公開でエリザベス女王逝去と非遇にも重なりタイムリーとして、否が応でも注目度が上がってしまった本作ですが、実在の"アイコニック美女性"をテーマにした伝記映画(風)で英米対決(勝手に)として『ブロンド』と比較して語ることも可能でしょう。
偶然にも御二方「ブロンド」でもあり、比較対象としては十二分でしょう。
と茶化し半分で、めちゃくちゃ抽象的、監督的アーティスティを詰め込み過ぎた『ブロンド』に比べ、こちらは本国の評判があってのノミネート実績だし大丈夫っしょwと高を括っていたら・・・
こちらも十二分に「問題作」でしたw

なによりまず語らなければいけないのは、クリステン・スチュワートさんの"憑依型演技"ですよ。
美し過ぎる。同日、邦画とカワイイと美しい攻めの眼福映画を見たわけですが、レベルというか"品位"がまるで違いますよ。演技としての"質"が"唯一無二"たらしめていますよ。
『ブロンド』のアナ・デ・アルマスさんはモンローの色気に不釣り合いの"少女性"がテーマに忠実的に評しましたが、こちらクリステンさんは日本人からすれば"ダイアナ妃"なんて知った内に入らないだろうに"そのもの"と錯覚した人物を演じてらっしゃいます。
いやマジで、クリステンさんがこれまでの女優歴を消し去るくらいの、"こんな表情、演技をする人だっけ?"と全く違う女優さんに遭遇したくらいの気分です。

でもぉ…主人公個人における"葛藤の抽象度"は両作どっこいどっこいですw
日本人小市民マインドだとこの描き方は、"感情移入しづらい"じゃないかなーと…
ダイアナのマインドとして、歌としてこれどうなの?賞といえるラズベリー賞最多受賞のNetflix『ダイアナ:ザ・ミュージカル』で予習はとっくに済ましているし、ここまで"ありのままマインド"じゃないだろうと思っていたら…あれ?これひょっとして大差ないんじゃ?と思ってしまったんですよw

そもそもに、息子2人設けて、自他(夫)共にスキャンダルまみれのストレスで自律喪失の危機は充分に納得できるけど、自ら望んで入った「王室」の"郷に入って郷に従わないマインド"、体調不良で夫、息子たち、侍従、王室全体に及ぶ"迷惑"に繋がる暴走的言動に、「それくらいの不自由さは当然じゃないか」と思ってしまう"ダイアナ一個人と民衆の『温度差』"も如実に浮かび上がらせてる映画ではないかなとも思うのですよ。

それもこれも、王室クリスマスパーティーの料理を取り仕切る下々の侍従、料理人を描き、「料理長」と友情を築いてると思い込むほど懇意にしている「担当侍従」との"友情"らしきものを描いてしまっているから…
王室・女王からの束縛や"王室の伝統そのもの"が肌に合わない神経が参ってしまってるのをなんとか補助して正道に戻そうとしている侍従たちの"繊細な気遣い"、そんな動乱とは無縁の自分に課せられた仕事をプロフェッショナルに黙々と打ち込む料理人たち…その「温度差」をわざと"悪意"を持って対比的に描いてはいませんかね…?と訝しながら眺めてしまったんですよw

だからこそダイアナの"精神世界を代弁"するサントラが実に雄弁で"活きる"効果を産んでいる部分もあって、映像、ライティング、サントラが結集されてダイアナ演じるクリステン・スチュワートさんの身振り手振り、斜に構えた表情視線が過剰なくらいに切り取られるのはため息ものです。
まるで『ファーザー』のホプキンスばりに"サスペンスフル"さが抽出されていますが。彼女の精神の喧騒や混乱も"彼女だけのもの"と伝える説得力は凄まじいです。

そう、『ブロンド』もこれも結局は"少女性"から始まる物語で、一歩抜け出したのがこの映画と言えそうです。