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漁港の肉子ちゃんのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作既読。
これは女であることの切なさとすばらしさを描くものだろうと感じる。

だらしないけど明るく優しい肉子ちゃんと、クールで可愛いキクりん、その友人達との日常が描かれるが、例えばキクりんの学校の女子グループのいざこざやあの空気感は、恐らく多くの女性が小学校時代に体験したことがあるのではないだろうか。

お人好しで男にすぐ惚れては騙される肉子ちゃん。でも恋愛することは止められない。
キクりんの実母のみうも、女として子供を産んだものの、怯えて逃げてしまうが、それでも娘を忘れる事は出来ない。

こういう「女だから」みたいな受け取り方は今の時代はあまり良くないのだろうが、やはり私は女という要素を非常に強く感じる。

キクりんが実母から捨てられ、肉子ちゃんの恋愛癖で点々とせざるを得ないキクりんの生活は女の業めいたものが原因だし、キクりんのボーイッシュさは女性性を嫌っている象徴のようにも見える。

でも肉子ちゃんのすべてを許容する包容力や強さもまた女ならではと言えるし、それがキクりんを包んで守っている。
キクりんが一度は自分をハブいたマリアや、変わり者の二宮をありのまま受け入れるのは肉子ちゃんを身近で見ているからだろう。
最後にキクりんの初潮で終わるのも、色々面倒くさいこともあるけど女っていいよねというメッセージかなと感じた。

原作でもサッサンの病室のシーンはめっちゃ泣けたな。

キクりんの声優さんがキムタクの娘だと知って驚いた。プロとはいかないけどとても上手。
一方肉子ちゃんは、やっぱり大竹しのぶは年齢が違い過ぎるのでかなり無理した感じになってしまっているように思う。またもう少し方言に通じた人を用意して欲しかった。

さんまさんの身近な人を連れてきているのだろうが、そこは作品の品質重視でやって欲しい。
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