第二次世界大戦中の、日本兵とイギリス兵俘虜の交流を描いた作品。
ハラとロレンスの友情、ヨノイとセリアズの微妙な関係。
特に日本兵側は、自分の性質や気持ちよりも先に、戦時中の日本人としてのあるべき姿を優先して敵兵に接する。
もう一体どういう気持ちで相手に接すればいいのか、戸惑いと矛盾が辛い。
この人達、戦場でなければ全然違う関係を築けたんだろうなと切ない気持ちに。
処刑前のハラ軍曹のロレンスに対する朗らかな態度、セリアズに惹かれて翻弄されたり、彼に敬意を表して髪の毛を神社に奉納したというヨノイの態度。
それが個人としての本来在りたかった姿なんだろうな。
ナショナリズムがすべて悪いとも思わないけど、個人の性質や自由を奪ってまで極端な思考を植え付けるのは辛い。
坂本龍一、たけし、ロレンス役のトム・コンティの日本語の滑舌が…最初は聞き取りづらく字幕ほしかったくらい（笑）
聞き取れなくてもなんか伝わる熱量はあるので、まあこれも味か…と最終的にはどうでも良くなったが。
デヴィッド・ボウイはめちゃくちゃカッコよくて、戦場にあんなの現れたら心奪われるよな…という説得力ある佇まい。
ハラ軍曹の最後のくったくない笑顔に、戦場のメリークリスマスの音楽が重なるラストは美しかった。
